【マギ】ルフが溢れるこの世界で。【トリップ】 (ページ5)

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5話　＊王国の姫＊ページ5

「…様！！…様！！」

貴「う…ん…」

―騒がしい。人の声と思われるものが私の耳を刺激する。

　目を開けると、晴天の空。

　それと、私に声をかけている女性がいた。

貴「…え？」

　日本とは思えない景色。どこか違う国に見えるが…

「A様、大丈夫ですか？？」

　少し高価そうな服を着た、優しそうな女性が声をかけてきた。

貴「…はい…あの、ここはどこです？」

―女性は信じられないことを言った。

「ここはバルバット王国でございます。あなたはこの国の姫でしょう？」

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貴「はぁ！？」

　私がこの国の姫？私は普通の中学生だったはず…。

　しかも、バルバット！？

　それって大人気漫画≪マギ≫の…？

貴「…私の名前を知ってるの？」

「えぇ！当然です。あなた様はバルバット王国第一皇女、A・サルージャ様です！！」

　今、この女性は何と言った？

貴「第一皇女？A・サルージャ？？」

「えぇ…!!」

　冗談でしょ？私は確かめるため、女性に聞いた。

貴「今の王様は？」

「何を仰っているのですか！！王はあなた様の兄、アブマド・サルージャ様ですよ！！」

貴「！？…そんな…」

　確かにここは≪マギ≫の世界の中だ。

　私はそう確信した。あの神様の言っていたことは本当だったようだ。

貴「貴女、身分は？」

　私は、姫となることを決心し、女性に聞いた。

「私は、下女でございます。本来ならば、姫とは言葉を交わすことさえ禁じられています。」

貴「そう…」

　私はこの国のことを全く知らない。どうすれば…

貴「…そうだ…！」

「？？」

　私はあることを思いついた。

貴「貴女、勉強はできるかしら？」

「え！？…ハ、ハイ…私は少しだけ裕福な家系だったので、少しなら…」

貴「私、ずっとお兄様に見張られていて、勉強などあまりしたことがないの。」

「はぁ…」

貴「特にこの国の事は全く知らないの。ねぇ貴女、私にこの国の事を教えてくれないかしら？」