【マギ】ルフが溢れるこの世界で。【トリップ】 (ページ16)

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17話　＊シンドバッド王＊ページ16

―突然だけど、私は今、大変なことになっている。
　
貴「あの…シンドバッド様？ちょっと…」

シ「いやぁ、バルバットにこんな綺麗で可愛いお姫様がいたなんてなぁ。知らなかったよ～^^」

貴「ですから…ッ！！」

　私はシンドバッドの部屋に訪れ、話を聞こうとした。

　しかし、シンドバッド王は酒を飲んでいたらしく、こんな状態だった。

　そして、体が小さい私を自分の膝の上にひょいっと乗っけたのだ。

　さっきから降ろしてくれって頼んでもこんな感じ。

　彼の従者が困った顔をしているような、呆れたとでも言いたそうな顔をした。

従者「シン…あなたって人は！！お姫様を降ろしなさい！！」

　従者にしてはおかしいけど。

シ「ジャーファル。こんな可愛いお姫様見たことないだろう？」

　この従者はジャーファルというらしい。

　なんか全体的に白いな…髪の毛も、肌も…

ジャ「それには同意しますが！！お姫様が困ってますよ！！」

貴「あの、シンドバッド様…降ろしてください…！」

ジャ「ほら！！」

シ「…(ρ＿；)…ぐすん」

貴「Σ(･ω･ﾉ)ﾉ！？」

　シンドバッド様は渋々降ろしてくれた。

ジャ「ε-(・д・)ﾊｧ…すみません。お姫様…」

貴「いえ！！突然お伺いした私が悪いんです！！」

ジャ「それで…ご用とは？」

　ジャーファルさんは真剣な顔で、少しニコリと笑ってから言った。

貴「あ…あの、シンドバッド様たちが≪霧の団≫を狙っているという噂を耳にしまして…」

ジャ「あぁ、その件ならアブマド王に頼まれたのです。」

貴「！！お兄様がですか！？」

ジャ「ええ…」

貴「そんな…」

　ジャーファルさんは不思議そうに私を見つめた。

　私はドレスを両手でぎゅうっと握った。

―お兄様の命令だったなんて…!!

　アリババお兄様に言うべきよね…

ジャ「A様？どうかなされましたか？」

貴「いえ…！すみません…ありがとうございました。」

　私は礼をしてから部屋に帰ろうとした。

　だけど、シンドバッド様が

シ「何かあったら頼ってください。お力になります。」

　そう言ってくれた。

　私はもう一度礼をしてから足早に部屋に戻った。