好きな人は彼女持ち。３【ダイヤのA】

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倉持


「りんご飴美味しそう！！」

「チョコバナナ買おうぜ！」


結局、祭りに来てしまった。

浴衣姿のあいつが想像以上に可愛くて、化粧してるからなのかいつもと雰囲気も違って。


あまりにも浴衣が似合いすぎてたから、つい見惚れて、やば。と口に出せば不安そうな顔のA

説明するのも恥ずかしいので、俺も行く。と伝えてあいつら五人その場に待たせて急いで支度をした。


Aと東条以外からはニヤニヤされたのが少し腹立たしかったけどな




「あ、見て下さい倉持先輩！かき氷ありますよ！しかもほら！ぶどう味！」


別にそこまで好きじゃなかったぶどう味も、今じゃ自分の中では特別なものになっていて。

買って欲しいなんてねだられた訳じゃないが、つい買ってしまう。


「食うか？」


遠慮するAの口に持っていってやれば、戸惑いながらも口にして美味しい！と笑顔になる。


屋台の灯りで照らされる横顔がすげー綺麗で、すれ違う奴らに二度見されるのが面白くねえ

そう思うのはきっと俺だけじゃなくて、東条もチラチラとAを見ていた。



「あれー？Aじゃない？」


人混みから一旦離れ、開けた場所で各自買った物を食べていれば突然声を掛けてくる奴らがいて。


「あー！久しぶり！！」


どうやらAの知り合いなのか、キャッキャッと騒いでいる。


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