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倉持
Aと顔を合わせるのが気まずくて、なるべく会わないようにしていたが部活後に見つかってしまった。
逃げ出そうとしたが遅くて、俺の名前を呼ぶと小走りで近づいてきた。
「今逃げようとしてませんでしたか?」
「…してねーよ。てか、何だよ」
一昨日の事を思い出すと小っ恥ずかしくて、少し乱暴な言葉遣いになってしまう。
「じゃじゃーん!クッキーです!」
そう言って、ニコニコと袋の中から包みを取り出して俺に渡してきた。
じゃじゃーんって…
こいつ、よくそんな事平気で言えるよな
可愛いから許されてるようなもんだぞ
「くれんの?」
コクコクと嬉しそうに首を縦に振る。
それがまるで赤べこのようで、からかうとムッとした顔で俺をポカポカと叩いてきた。
やべーだろ…こんなん
こいつにこんなことされたらみんな好きになっちまうんじゃねーのか?
「嬉しいですか?」
「少しだけな…ほんとほんの少し」
「もー!」
そんなんきかなくたってわかんだろーが
ブツブツ文句を言うAを家まで送ってやり、寮までの帰り道に貰ったクッキーを見つめる。
ほんと器用だよな、何か形もすげー綺麗だし。
星とか動物の形が多く入ってるけど、ハートの形も少し紛れ込んでいて。
まあ、深い意味なんてねーんだろーなと思いながら一枚口にすれば程良い甘さが口の中に広がる。
うま…あいつ天才だな
毎日少しずつ食べるかと思い、丁寧に袋を閉じて寮まで帰った。
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HIKARU(プロフ) - 蝶乱さん» コメントありがとうございます^^ 頑張ります!! (2020年3月5日 17時) (レス) id: e2128e8a6d (このIDを非表示/違反報告)
蝶乱(プロフ) - はじめまして!全然読みにくくなんてありません!むしろ面白くてめちゃくちゃ更新を楽しみにしおります!第2目も頑張ってください (2020年3月5日 12時) (レス) id: f2a4c0900f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:HIKARU | 作成日時:2020年3月1日 13時