第64訓 ミコトノリアリ ページ18
「えー、トシは何やらとっつぁんと大事な話があるらしいので少し遅れる。先に会議を始めよう」
一通り北方の支援固めが終わり次の担当が発表されようという会議に仕事を終えた全隊が佐々木邸の道場に揃っていた。
土方がいないからか携帯をいじる者もちらほら。
相変わらず熱心に高木は「会議ナウっす」とAにメッセージを送っていると
「えっ!?!?」
「高木、隊規違反だぞ」
「『こら、会議中に携帯いじっちゃダメだよ』ってAさんから……」
隊士達が見せろ見せろと集まってくる騒ぎの中ポコンポコンとあちこちで通知音が鳴る。
「あ!局長だって通知切ってないじゃないですか」
「俺はAちゃんの通知だけしかオンにしてない!……あれ?」
それぞれが送ったメッセージに順繰りに返事が来る中、沖田は仏頂面をしたまま動かなかった。
「ほらぁ返事来るじゃないですか。隊長も送りましょ!今!意地張ってないで送りましょって」
「俺は送らねェ」
携帯を取り上げて勝手にメッセージを送ろうとする隊士と沖田の喧嘩が始まり、あるものはメッセージを何度も読み返しては感極まったりと
いつもなら喧嘩を仲裁する若瀬も何やら熱心にAとやり取りをしている。
道場の中が収集のつかない状態になった時、廊下をバタバタと走る音がして勢いよく扉が開いた。
「おい!近藤さん!……ってテメェら!!会議中だろーが士道不覚悟で切腹か!?」
慌てた様子の土方が飛び込んできて、用事も忘れて青筋を立てる。
「まぁ、トシ落ち着け。どうしたんだ」
「あぁ、今Aととっつぁんから連絡が来て……天子様から勅命が」
天子、A、松平、そして詔、情報の渋滞した言葉に全員が息を呑む。
勿体ぶるように土方は息を整える
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「真選組は京都にて皇室お抱えになるそうだ」
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作者名:愛総 | 作者ホームページ:https://twitter.com/iso_0708/status/1468333379636834307?s=21
作成日時:2021年8月27日 20時