知ってる、知らない2 ページ21
光side
昼休み。
いつものように白浜と基山と弁当を食べていた。
「あ」
「なんや、どうした?」
「確か、レポートの提出、今日の放課後だったよな?」
「レポート?」
「地学のだよ」
「桐木の授業のやつか…安心せぇ、俺も終わっとらん」
基山は威張った。
「自慢するようなことじゃねぇだろ」
「何言うとんねん、俺が終わっとるわけないやろ?」
「月島は終わった?」
白浜は馴れた素振りで俺に話をふってきた。
「無視すんなや」
「あー悪い、お前にふった俺が悪かった」
「おい…」
「で、レポートはできたのか?」
「もう終わったよ」
「え?」
「それやったら月島、レポート手伝ってくれへんか!」
「うん、いいよ」
「よっしゃ!」
「自分でやれよ」
「わかっとるがな」
白浜は平然とした顔で弁当箱を片付けはじめていた。
「でもすごいな。転校してきて間もないのに、あの授業についていけるなんて」
「昔から地学は好きなんだ。宇宙のはじまりとか惑星がどうやって出来たかとか、地球の地殻変動なんて何万年単位で調べないとわからないし、不思議で溢れているだろ?それに…」
「わかったわかった、もう十分や。頭が回らんわ」
基山は頭に?を浮かべて難しい顔をしていた。
「それだけ好きなんだな。月島が語っている時の目があいつと同じ目をしてるよ」
「あいつ?」
「ああ。俺のいとこも地学が好きでさ…あ」
白浜の動きがピタリと止まった。
「どないした?」
「あいつ、鍵を忘れて行ったんだった」
「家に誰も居らんのか?」
「ああ。いるかな…月島、ついてきてくれ」
「えっ、いいけど…」
「俺は?」
白浜が俺だけを指定したのかよくわからなかった。
基山は?
「お前はどうせレポート一つも手付けてないんだろ?」
「う゛…御察しの通りや…」
なるほど。
二年も共にいればわかるんだ。
(白浜の勘が鋭いのもあるかもだけど…)
「月島、行こうぜ」
「うん。基山、後で解説する」
「はよ帰ってきてなー」
俺と白浜は教室を出た。
2人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
春やよ(プロフ) - ながれさん» ありがとうございます!更新遅いですが、頑張ります!! (2017年7月8日 22時) (レス) id: 2de034be92 (このIDを非表示/違反報告)
ながれ - 台本書きじゃないって素晴らしい!面白いです。更新頑張ってください。 (2017年7月1日 14時) (レス) id: 0074eb723f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:春やよ | 作成日時:2016年7月14日 1時