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106話 隠蔽の失敗 ページ7

「え…え!?」


最原くんは驚いてドアを閉めた。や、やばい。完全に見られたし、バレたよね…。


わたしは急いで服を着た。心臓がばくばくいっている。アドレナリンが止まらない。


ガチャリ、ともう一度ドアが開いた。最原くんが立っていた。


きっと、自分の見間違いだと思ったのだ。ていうか、ずっとそう思っててほしい。


でも、すでにわたしは服を着ているから、誤魔化せるかも…?


一瞬の間。


「え、えぇぇぇっ!?」


最原くんは今度こそ、顔を真っ赤にした。そうだった、探偵の彼を騙すことなんてできない。


でも、彼はドアから出ていこうとはしなかった。どうやら、動けないみたいだった。


「さ、最原くん?」


着衣はしているものの、床に座り込んだままのわたしが恐る恐る名を呼んだ。


「は、はいっ」


彼はガチガチに固まっていた。


「単刀直入に言うけど…み、見た?」


「み、みみ、み、見てない…! 見てないよ…?」


これは見たな。完全に。あ、でもわたしが何をしてるかまでは分からなかったかも。


「ま、まぁ、もし見たとしても許してあげるねっ、最原くん―…終一が見てたとしても。

 だって、その…。わたしが鍵かけずにお風呂に入ろうとしてたのが悪いんだし。うん」


わたしがただお風呂の為に服を脱いでただけですよ感を出していると、最原くんが言った。


「僕のこと考えながらシてたの?」


「…え?」


最原くんは後ろ手でこの部屋の鍵を中から閉めた。もう逃がさない、といった表情だった。


「ごめん。最初は見て見ぬふりしようと思ったんだけど……キミが悪いんだよ?

 ねぇ。ほんとうは、ひとりで気持ち良くなっちゃってたんだよね? ―A」


床で言葉を失ったわたしの頬に手を当てる。わたし、いつ彼のスイッチ入れちゃったの…?


また、身体が熱くなる。もし、さっきあんな事してたなんて、最原くんにバレたら…!


王馬くんにするなって言われてたのにだよ? …そこで、わたしは白を切る事にした。


「もぉ、なんのことかさっぱりだよー。転子ちゃんもこんな気持ちなのかなぁ」


にこにこと、冗談っぽくはぐらかした…けど。…あれ、通じなかった?


最原くんはその言葉を聞くと、じっとわたしの目を見て、半ば強引に腕を引いた。


そのせいで、わたしの腰が少し浮いたのを、彼は見逃さなかった。


「じゃあ、なんでココが濡れてるの?」


ぴと、と添えられた指が、またショーツの上からわたしを快楽に溺れさせた。

107話 懇願→←105話 慰め



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めっし(プロフ) - 下に同じくです (2022年7月26日 17時) (レス) @page6 id: 7d569bbc99 (このIDを非表示/違反報告)
夢海 - 2022になっても見てますw (2022年7月4日 21時) (レス) @page50 id: 9fa1b4957f (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - おことさん» ありがとうございます! かなり遅くなりました。王馬派さんもいてよかったです! これからもよろしくお願いします。 (2018年12月29日 1時) (レス) id: 41d434a4ee (このIDを非表示/違反報告)
おこと(プロフ) - まだ見てます!応援してます!ちなみに私は王馬派ですw (2018年12月1日 17時) (レス) id: 3db9c5d0dd (このIDを非表示/違反報告)
みゅー@作者 - 続編製作決定! そろそろ完結させなくちゃ……。まだ見てくれてる人いるのかな笑 (2018年12月1日 0時) (レス) id: 316ac960fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:みゅー | 作成日時:2017年12月4日 14時

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