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貴「けほっ…げほ、げほっ、」


…今日は何だか体調が優れない

熱も…少しあるわね

お昼までは少しだるいくらいだったのに…

夕方になってから急に…

…でも動けないほどじゃないわね

お花に水をあげてから何か食べて薬を飲んで、寝ましょう…

私はふらふらと足元が覚束ないままベランダへ出て、お花に水をあげる

………お花…枯れ、て…きてる…?

庭に植え替え終えていないお花の状態が良くない

きちんと手入れをしているのに

水もあげてるのに

どうして?


貴「……………いや……ッ」


やめて………

枯れてはダメ、ダメなの

だって枯れてしまったら私は死んでしまったことになる

あの男を、喜ばせてしまう

そんなのいけないわ

私は、私は……生きてるから…っ

おねがい、枯れないで

咲いていなければいけないの

私はそうして今まで存在を主張してきたの

だからダメ

いやよ

やめて

枯れないで

私のすべてだから


貴「あ……っ、あ、いやっ…」


ガクガクと足が震えて、その場に座り込む

何も考えたくない

嫌だ、嫌だ、嫌だ

あの男を喜ばせたくない、私はまだ生きている

それなのにお花は枯れている

どうして

私の何がいけなかったの?

どこを間違えたの?

………全部、あの男が悪い……

ああ………くるしい……

たすけて…

……修造くん…

私はスマホを握りしめて、電話をかけた

そしたら修造くんは出てくれた


『どうしたんだよ、Aさん』

『あ、の………おしごと…は…』

『仕事?仕事なら今はもう終わったけど』

『そ、そう……あ…えと…』


スマホを持つ手が震える

修造くんに……会いたい…


『…っ、う………』

『…Aさん、もしかして具合悪い?』

『す、こしだ、け………』

『嘘つくなよ…』

『っ………も…やだ……たすけて…』

『急いでそっち行くから待ってろ』

『ん………、』

『変なこと考えるなよ、じゃあな』


ぷつ、と電話が切れる

……弱音のようなものを吐いてしまった

修造くんが、来る前になんとかしたい

……ただただ、くるしい


貴「いや………たすけて、修造く…ん……」


修造くん…………

どうして私ばっかり?

そんな思いが頭を過る

…考えないでおきましょう……

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碧夜叉 - ミリイ(灰崎信者)さん» ありがとうございます!!そう言ってもらえて嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
碧夜叉 - マリイさん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです! (2019年4月5日 5時) (レス) id: fa67c2696c (このIDを非表示/違反報告)
ミリイ(灰崎信者)(プロフ) - 最高過ぎる碧夜叉さんの虹村さん (2019年4月3日 23時) (レス) id: 99fc6b4eef (このIDを非表示/違反報告)
マリイ - 碧夜叉様の虹村さんカッコイイ 最高//// (2019年4月3日 19時) (携帯から) (レス) id: 82a6cba0ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2019年3月19日 1時

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