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虹村視点

気になり出してから結構経った

今では日課のようになっている

ストーカーかよって自分でも思うけど、通い詰めるうちにあの人は俺に微笑みかけてくれるようになった

その様が綺麗で、一番最初は少し見惚れたなんて秘密だ

………今日は出て来ないのか?

…あ、出てきた

今日は少し顔色が悪いような…

そう思って見ていると、あの人ががくりとバランスを崩した

あっぶね……っ、大丈夫か…

落ちはしなかったが大分具合が悪そうだ

一度は何とか持ちこたえたものの、またふらりと身体を揺らして、その身体は見えなくなった

………は?

た、倒れたのか?

一人暮らしっぽいし、頭とか打ってたら…ヤバいだろ

勝手に身体が動いて、俺は花屋敷の中へ入っていた

門を開けて、ドアに手をかける

……開いてる

不用心な…

とりあえずドアを開けて中に入り、階段を駆け上がる

灯りのついている部屋を開けて、中に入るとその人はベランダに倒れていた


虹「お、おい、おい!」

貴「………ぅ、」

虹「え、だ、大丈夫か?具合悪いのか?あ、頭…打ったとか、」

貴「………………いたい…」

虹「痛い?頭かよ?救急車呼ぶか?」

貴「…ッ……救急車は…よばな、いで………」

虹「で、でも」

貴「ん………私ったら…またやったのね…?…え?ひっ、だ、だれ、」

虹「あっ、いやあの、俺は」

貴「………あ…貴方は…帝光中学の、えーと、金髪くん…?いつも…外から、私を見てる」

虹「……うす」

貴「…どうして……」


そう聞かれて、泥棒扱いされては困ると、必死に事実を伝えた

信じてくれるか心配だったけど、この人はどうやら信じてくれたらしい

つーか、やっぱり声まで綺麗だな

透き通ってて細くて、少し低い、聴き心地の良い声


貴「ごめんね、怖かったでしょう?倒れる所に遭遇するなんて中々ないから」

虹「…まあ」

貴「心配してくれてありがとう。ドアは壊したの?」

虹「あ、いや、鍵は開いてたからそのまま」

貴「……開いて…?あ…お昼だわ…。外に出て鍵を閉めずにいたのね」

虹「あの……身体とか、頭とか、痛いとこないっすか?」

貴「え?ああ、大丈夫。身体の方は薬を飲めば治るから。それに私、こう見えても丈夫なのよ?」

虹「……信用できねぇ」

貴「ふふっ、そうよねぇ」

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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