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息を整えていると、父親はベランダへ行き鉢植えの花を取り出した

それを見て鼻で笑い私に投げつけた


貴「い゛っ…や、やめて、そこに入らないで」

「…こんなもの、育てて何になる。くだらない」

貴「やめ、ゔっ…い、た…ッ」


また一つ投げつけられる

土が散らばって、花も転がってしまった

そこを荒らすのだけはやめて欲しくて、立ち上がって父親に覆いかぶさった


「ッ、何の、真似だ!」

貴「やめて‼触らないで‼」

「チッ、立場を弁えろ‼」


いとも簡単にいなされ両手首をぎっちりと手で拘束される

力が強いせいで、骨が軋み血が止まっている感覚がした

そのまま壁に追いやられ、勢いよく背中から激突した

ガタンっと大きな音がする


貴「あ゛…かはッ、はぁっ…」

「図に乗るなよ。容姿だけは良いから闇市場に出したって良いんだぞ」

貴「いた、い゛…」

「…………また来る」


手首を掴まれたまま、また投げられた

父親はそのまま部屋から出て行き、階段を降りて外へ出たようだった

投げられた格好のまま、何からしたら良いかを考える

……鉢植えが転がってる

床も土だらけ

私の体調は悪化していて、窓も開いている

…土を被ったから、汚れてしまった

……………えっと…窓を、閉めて

それから…花を、鉢に戻した

………汚れたから、お風呂に入らないと

よたよたと廊下へ出て、階段を降りる

その時に強い眩暈がして、思わずバランスを崩してしまった

…まずい

そう思った瞬間にはもう私の身体は階段を転げ落ちていて、一瞬で一番下まで落ちていた


貴「……ッ、い゛…ぁ、は…っ」


………今日は、厄日ね

ゆっくり身体を起こして、立とうとしたら足が痛んで立てなかった

…捻ったのかしら

改めて見てみるとかなり腫れている

…………骨折だったら厄介ね

でもとりあえず、お風呂に…

無理やり立って、足を引きずりながらお風呂へ向かおうとしたらがちゃりと扉が開いた

…え、


虹「あ…」

貴「…どうして…え?鍵…」

虹「さ、さっき来て、インターホンを2回鳴らしても出てこなかったから具合が悪いのかと思って帰ろうとしたら…でかい音が聞こえて」

貴「………鍵は…開いていたの?」

虹「…も、元からかかってなくて……その、俺心配になったから」

貴「……良いのよ、修造くん。ありがとう」


………あの男、鍵を閉めて行かなかったのね

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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