第46振 涙の痕と心の靄←俺はそんな君が…(鶴丸side) ページ2
鶴丸side
ーー荷葉が泣いた。声を上げて泣いた。俺は、ただ黙って慰めていた。好き、なんだなと思った。荷葉に其処まで思われる相手は、幸せなのかもしれないな。
三日月「鶴や、荷葉は寝たのか??」
鶴丸「あぁ、今さっきな」
俺の膝を枕に、寝息を立てている。…涙の痕を拭い、頭を撫でてやる。身動ぎしたものの起きる事はなく、規則正しい寝息が聞こえる。…寝入ってしまったか。
三日月「安心仕切っておるようだな。どれ、俺も1つ添い寝でもするか」
鶴丸「いや、アンタは内番あんだろ。小狐丸と」
なんだったか…。畑だったか??水遣りくらい手伝わんと、怒られるんじゃないか??
三日月「あなや…。鶴は良いのか??」
鶴丸「俺はない。今日は1日非番でな。後で加州を呼んで、頼みたい事があるんだが…」
この状態では動けないからな…。三日月は名残惜しそうに、荷葉の寝顔を見ながら内番に向かった。加州、来ないだろうか…??なんて思っていたら、向こうから出向いてくれた。
加州「荷葉が泣いたって聞いたんだけど…。っと、寝ちゃってたんだ」
鶴丸「加州、良い所に。…荷葉が、万屋で昔の男と会ったらしい。政府に確認とか出来ないか??」
加州「難しいね。…教えてくれる事もないだろうし。荷葉の事や、もしその男の事が本当なら、黙秘するだろうから。…なにか接点でもあれば、別だろうけど」
と言い、言葉を止めた。その直後、誰かの足音が聞こえてきた。
乱「荷葉さん居ますか??…あっ、寝ちゃってるんだ。どうしようかな…」
鶴丸「どうしたんだ??乱」
乱「…政府の火蓮さん??って人が、荷葉さんを尋ねて来たんだけど。加州さん、どうしよう??」
まさか、向こうから…。でも、なんか見計らったような感じがするな。
加州「この時を待ってましたと、言わんばかりじゃない??…鶴丸、アンタならどうする??」
どうするもこうするも、聞きたい事は全て聞いてやるさ。三日月も、そう言うだろうしな。
鶴丸「加州、三日月にも声を掛けた方が良いだろう。荷葉にべったりだからな、気になって仕方ないだろうから」
加州「中身次第では…全員に話せると思うよ、荷葉の事。…乱には、少し待って貰わないといけないけど」
乱「僕は良いです。けど、いち兄には話してあげて??荷葉さんを心配してたから」
一期に話すよう頼み、部屋を出ていく。…荷葉、此処にはお前が大好きで仕方ない者たちばかりだ。
第47振 私と彼とあの方と←それくらい知っていた…→←雑談 ※会話のみ (ちょっとした追加設定←と言う名の独り言をちょっと編集)
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作者名:葦原 さくら | 作成日時:2018年4月13日 9時