【黒バス】あの関西弁っ子は、悪童のカノジョです。《花宮真》

【学校生活】1 ページ10

クラスははなみゃーとは別。

ザキだけ同じクラスやった。

｢お、おはようさん。さっきぶりやなー。｣

ザキは私より早く席に着いていた。

その背中をポンッと叩いて言った。

｢ん、おはよ。｣

隣の席に腰掛けながら更に続ける。

そう、うちらは隣同士なんや。

｢それよりな、今日課題の提出期限日やで？
終わっとる？｣

｢え？！
なんだよそれ！ 聞いてねーし！｣

ザキは思った通りの反応をしてくれた。

呆れながらも続ける。

｢早よやれや。
今日中やから、終わらなかったら部活行けへんで？｣

｢べ、別に練習なんかしなくても勝てるだろ。｣

おどおどして、目をそらしながらザキは言う。

｢駄目。万が一にも負けたら許さへんよ？
だから練習するんや。｣

『負けは許されない』。

これはうちもはなみゃーも部員も全員が分かっとること。

敗因となった部員は追い詰めて追い詰めて強制退部、最悪退学させるまでやる。

今までにも手を抜いて負かした先輩もいたけど、その人は虐めに耐えられなくなって退学した。

ザキもそのことを思い出したのか、ブルッと身を震わせてから答えてくれた。

｢お、おう………。分かった、やるわ。｣

｢よし。
あ、一時間目数学やね。
よっしゃー。｣

一時間目は大好きな数学。

うちはわくわくしながら、授業開始を待った。








まぁなんとかザキの提出は(うちが手伝ったから)間に合い、二人でこれから部活行こーってとこ。

邪魔が入った。

｢あ、あの、今吉さん！ ちょっと時間いいですか？？｣

そう話しかけてきたのは同じクラスの男子生徒。

なんやったっけ。た、た……田口くんや。

｢……………。｣

お前に割く時間なんてないわ。

そう言おうと思ったけど踏みとどまった。

｢ええよ？ どこで話す？？｣

ザキにはアイコンタクトで｢先行ってろ｣と伝え、その男子生徒についてったんや。









｢あの……僕、今吉さんのことが好きなんです！！！
も、もしよろしかったら、お、お付き合いして下さい！！！｣

連れていかれた先は資料室。
誰もおらんかった。

｢…………すまん、今は誰とも付き合わへん。｣

そう言ってうちは断った。

｢あ………そう、ですか………。
ありがとうございました。｣

途方に暮れる彼を置いて、うちは部活へ行った。

あっさり切り捨てることも、大事やで？

変に希望持たせるよりもずっとええ。

あと……あの諦めた顔。

最高やったわ！

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