【黒バス】あの関西弁っ子は、悪童のカノジョです。《花宮真》

【学校生活】7 ページ45

3日目、最終日。

お土産を買い終えたうちらは、集合場所へと歩いて帰る所やった。

｢八つ橋、八つ橋、八つ橋…。｣

お土産の中に入っている八つ橋の事を考えながら、
ザキと雑談をしながら歩く。

｢お前食い意地張りすぎだろ。｣

なんて言われて笑ったその時だった。





｢A…？｣

後ろから名前を呼ぶ声がし、振り返る。

｢どちら様で…

征！？｣

そこにいたのは紛れもなく赤司征十郎。

美しい赤髪を風になびかせ、オッドアイの目を見開いていた。

そのまま何もいう暇もなく征はうちに抱きついてきた。

｢ちょ、…征？！｣

｢A…A…！
会いたかった。
何故連絡一つよこさない？心配したぞ。
何故違う学校へ進学した？
何故僕達の前から消えたんだ？
何故だ？A。何故。｣

無駄に刺激しないよう、ゆっくりと落ち着いた口調で返した。

｢征、うちの意見も尊重してや。
うちはうちのモノ。
うちの意思で動くんよ。｣

そう言っても納得する様子ではなく、
うちの肩を掴む征の手が震え出す。



｢てめぇ…何してんだよ。｣

近くで見ていたザキが耐えかねて話に割り込んできた。

征はむっとしてザキを睨みつける。

その口を開いてなにか言おうとしたその時、

｢ちょっと征ちゃん！
いきなり走りださないでよね。

あら、誰かしら。この子達。｣

後ろからひょっこり現れたのは背の高い男の人。

｢…征、うちらはもう行くで。時間がない。
また連絡するから。｣

征の手を掴んでうちの肩からおろす。

そして最後に、ぎゅっと征に抱きついて、頬にキスをしてから何も言わずにその場から去った。

｢ちょ、A！｣

慌てふためくザキをおいて、一人でどんどん歩いていった。









｢征ちゃん！
あの子誰なの？！｣

玲央は慌て、僕に抱きつきキスをした女を追おうとする。

僕はそれを止める。

｢やめろ、玲央。
今のは中学時代の友人。
少し関係が拗れてしまったんだ。
それだけだから…放っておいてくれ。｣

出来るだけ真顔で言ったつもりだったが、どうしても口調が暗くなる。

仕方ないのかもしれないな。

やっと会えたAには相手にもされなかった。

胸がズキズキ痛む。

(A…。
どうして。)

見えなくなったAの背中を探す。

まだ伝えたいことが沢山あるのに。

数十秒後、落ち着きを取り戻し、馬鹿馬鹿しくなった。






｢『ずっと征のそばにいる！』って言ったじゃないか。
何故裏切ったんだ？A。


…………許さない。｣

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