27話 ページ28
チャグムはバルサと話してから、いらいらすることが減った。
フィアとも仲直りしようと思ったが、フィアが見つからないし、言う勇気がない。
この日もチャグムが謝ろうとする前に、お粥をさっさと食べ、フィアは出ていってしまった。
バルサも稽古で外へでている。
〈狩穴〉の中はチャグムとタンダの二人になった。
｢チャグム、フィアとけんかでもしたのか？｣
チャグムは驚いて、顔を上げた。
｢最近、フィアはチャグムに口をきかないからな。そんなこったろうと思ったよ。｣
｢フィアに俺の気持ちなんて分かるわけないって言ったら、怒った。｣
タンダはちょっと笑った。
｢チャグムはフィアがなんで俺と暮らしているかしっているか？｣
チャグムは、少し考えると首を横にふった。
「聞こうとした。でも途中までしか聞けてない。」
「そっか。俺やバルサやトロガイ師は、フィアの家族とずっと前から知り合いだったんだ。
マリノさんは仕事で異国へ行く時にバルサを護衛に雇って、
タンガルの近くを通る時にはフィアのお母さん、シオンさんの宿に泊まっていたんだ。
俺も呪術師としての仕事で、タンガルに行く時は、いつも使っていた。｣
「タンダが、フィアの家によく行っていたことは聞いた。」
｢今から3年前にタンガルで大火事があった。フィアたちの宿から3軒離れた宿で
お客のチョウルの火が建物に燃え移って風で広がり、他の宿にも被害がでた。
その時ちょうどバルサはサンガルからかえってきて、宿に泊まっていた。
フィアの宿もどんどんくずれていって、シオンさんはバルサにフィアを連れて
オッカ村のマリノさんの家へ行くように頼んだんだ。
でも、マリノさんは、仕事でいなかった。それでフィアを俺の家へ連れてきた。
しばらくしてフィアはマリノさんの家へ行ったんだけれど、村の生活が合わないのか、俺の家にしょっちゅうやってくるようになった。マリノさんも仕事にフィアは連れていけないし、農業についての知識は一切ないから、いまさら村で働くこともできない、一緒にいてあげることができないと言って、
知り合いの俺たちに春から秋まで預けるようになったんだ。」
「フィアは……おれに話すとき、全然そんな、辛そうなそぶりとか、見せなかったけど……」
「チャグムに気を使われたくなかったんじゃないか？チャグムも親と離れ離れになって辛い思いしているだろうからって。」
チャグムは聞くと、外へ飛び出した。
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サヤノ - 清少ナゴンさん» 初めまして、サヤノと申します、精霊の守り人シリーズが大好きです、故あって愛読しております、タンダ特製山菜鍋も美味しいくらい想像が膨らみます、よろしくお願いします。 (9月29日 11時) (
レス) id: 8a917fb5a5 (このIDを非表示/違反報告)
真顔君 - 頑張って下さい！ (2018年8月6日 15時) (レス) id: 121ee4e48d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゴンナゴン | 作成日時：2017年12月19日 19時
