北の国では2［ゴールデンカムイ］ (ページ43)

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過去編5 ページ43

『じゃあ僕はもう行くね』

杉元「元気で、悪い人に着いていっちゃダメだよ？」

『子どもじゃないんだから…大丈夫』

杉元「……生きてまた会おう」

『不死身の相棒だったんだ、僕も不死身だ』

杉元「たしかに」

ぷっと吹き出した杉元

『じゃあな、杉元』

差し出した手を握ってくれた

杉元「じゃあな、A」

背を向け歩き出す

少し歩いたところで振り返ると手を振ってくれた

僕も振り返す

兵舎を出たところで

見知った顔が待っていた

鯉登「A、除隊すっなら早めにゆわんか」

？？

除隊……

ああ…

『すみません、伝える機会がなくて』

鯉登「あたがおらんごつなったや軍ん士気が下がっじゃろう」

『………………はい』

なにか凄い早口で言われたがわからない…
とりあえず返事した

鯉登「おいがゆちょっことわかっちょっか！？」

尾形「鯉登少尉殿、ゆっくり話さないと伝わりませんぞ」

鯉登「尾形百之助！！誰が馬車から降りていいと言った！！」

尾形「私もAに挨拶しておきたかったのです、いいでしょう」

『わざわざありがとうございます』

なんか喧嘩してるっぽい…
とりあえず笑顔でお礼を言っておく

鯉登「(可愛い)」

尾形「(可愛い)」

月島「鯉登少尉殿、そろそろ戻らなければ鶴見中尉に叱られます」

鯉登「もうそんな時間か！？戻るぞ！！月島！早く出せ！！」

鶴見中尉という言葉を聞いて馬車に戻っていった鯉登少尉

尾形「……元気でな」

『はい、お世話になりました』

月島「もう会うことはないだろう、達者で」

月島さんが手を差し出してきた

僕はそれを掴んで握手をした

『はい、死なないでくださいね』

月島「……縁起でもないな」

その後馬車が出て第七師団のお世話になった方々が去っていった

わざわざ挨拶に来てくれたとは…

ちょっと意外だった

兵舎を出て当てのない旅を始めた