強くなるために ページ30
貴方side
顔を上げたその先にいたのは、今、最も会いたくない相手である
鬼灯だった────
貴「や……なんで鬼灯が……！」
後ずさりをして、私は部屋から出ようとした
だが、それを鬼灯が許すはずもなく、鬼灯はバッと私の前に来ると私の手をガシリと掴んだ
鬼「逃がしませんよ、A」
貴「っ………………」
鬼「さて、じっくり話しましょうか」
貴「い、嫌だ！！離してよ！私はもう鬼灯なんか……！！」
鬼「黙りなさい、それは貴方の本心ではないはずです」
貴「本心だよ！！だって私は今白澤と───」
閻魔殿での二人の話を聞いていたはずなのに、私はどこまでも鬼灯に嘘をついた
鬼「白豚と？なんですか？」
貴「……つき、あ、って……」
鬼灯も、もう事情は知ってる筈なのに、鋭い目で私を見つめる
鬼「私の顔を見てもまだそう言いますか？」
ぐいっと、顔を近付けてくる
その
貴「っ………ぅ、うぇ……え……」
私の目からはポロポロと涙がこぼれてきた
鬼「……！……A……」
さすがの鬼灯も焦ったのか、顔を離し、ただ私を見つめていた
鬼「すみません、少し意地悪をしました」
違う、鬼灯は悪くない
この涙は私自身に流しているもの
私はこうやって最後まで鬼灯に迷惑をかけるんだ
結局、愛しい人を守ることは、私にはできないの？
衆合地獄に就けばなにか変わるかもなんて、私はいつも待つばかりだった
変わるかもじゃなくて、変えなきゃいけないんだ、私が
貴「ほぉずき……！私、私……！！」
鬼「はい、知ってます、知ってますよ全部」
貴「ごめん、ごめんなさいぃ……」
私は泣きじゃくった
そして、私の知ってること全部、話した
昔、衆合地獄で働いていたこと
そして、私たちは結ばれようとしたが、白澤によって記憶を消されたこと
いま私がこうしているのは、鬼灯にすべてを思い出して欲しかったからだということ
全部、話した
鬼灯はただただ黙って聞いてくれていた
貴「ずっと……黙っててごめんなさい」
鬼「いえ、謝るべきなのは私です」
鬼「私は……貴方がこうして色々なことを抱え込んでいることに気づくことができなかった、貴方を一番愛している者だというのに」
貴「ううん、違うよ、鬼灯を守れなかった私が悪いの」
そういうと私はすっと立ち上がった
貴「白澤とケリつけてくるよ」
強くなるために
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Nami - 面白かったです！白澤さん途中ヤンデレ…？でもハッピーエンドで良かったです😄 (7月11日 16時) (
レス) @page36 id: 7f8b02d024 (このIDを非表示/違反報告)
くるみ - 白澤が怖かったけど、最高の話しでした！！！！ (2017年12月29日 18時) (レス) id: 31ba52f844 (このIDを非表示/違反報告)
はるはな(プロフ) - あっぷるさん» 頭の中で妄想しながら書くのってたのしいよな！！ｗｗｗ私も興奮して鼻血g…… (2015年8月30日 14時) (レス) id: f1fd4f5ddd (このIDを非表示/違反報告)
あっぷる(プロフ) - やっぱはるはなちゃんの書く鬼灯様ってスゲーイケメン…！！鼻からケチャップが…… 朝からごちそうさまですっ！← (2015年8月30日 8時) (レス) id: 4094b501e6 (このIDを非表示/違反報告)
はるはな(プロフ) - 青眼鏡さん» 番外編！！書きたいです(´∀`)ぜひ書かせていただきますね！！１ですね、了解です (2015年8月4日 17時) (レス) id: f1fd4f5ddd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はるはな | 作成日時：2015年5月6日 17時
