赤い眼の生き残り ２章

８５話 荷物 ページ48

飛「おいおい！待てよ角都！！」

飛段さんが角都さんを呼び止める。角都さんは面倒くさそうに此方を振り向いた。


角「何だ、飛段。儀式とやらは後にしろ」


その言葉に、飛段さんは首を横に振った。


飛「ちっげーよ！これからそいつらのボスの所に行くんだろ？」
角「勿論だ。それがどうした」


私は飛段さんの言いたいことがわかった。しかし、角都さんはまだわかっていない。


そんな角都さんを見て、飛段さんは呆れと苛立ちが混じった声で話す。


飛「それがどうしたって………あのな角都、チトセがいんだろーがよ！一旦アジトに戻って、荷物とか置いてきた方が良いんじゃねーの！？」


まさかチトセも連れてくつもりだったのかよ


そう続ける飛段さん。


角都さんはぐっと眉間にシワを入れ、少し悩む素振りを見せた。


このまま向かえば、直ぐに敵のボスを殺すことが出来るだろう。しかし、私という荷物が邪魔になってしまう。


逆に、荷物を置きにアジトに戻ったら、動きやすくなる。しかし、敵に逃げられてしまう可能性は高くなるだろう。


……………


………………………


……………………………………


私が一人でアジトに戻ればいいのでは？


そう思い、口を開こうとした。だが、私よりも早く角都さんが結論を出した。


角「仕方がない。今は一旦アジトに……！？」


角都さんが飛び退く直前、私と飛段さんも"それ"に気がついた。

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