天才美少年からの1日と1日

通信制高校？ ページ11

アーヤside

振り向くと涼風君が居た。

「あ、あの時はありがとうございました。もう完治しました。」

なんか、つい敬語で言っちゃたけど、変に思われてないよね？

「いえいえ、なにより。敬語を外しても構いませんか？」

う、気を使わせちゃった…。

「うん。ごめんね。」

私はそう言って顔を上げると涼風君はクスクス笑っていた。

からかわれた！

「涼風！若武和臣だ。名前くらい知ってるだろ？」

私が頬を膨らませていると若武が割り込んできた。

「もちろん。ここにいるのは全国模試で名を連ねている人ばかりだから。ここで会えるとは思わなかったけどね。」

涼風君はそう言ってまたふわっと微笑んだ。

私はまたもやドキドキしてしまって、それを誤魔化すためにさっきから気になっていたことを聞いてみた。

「涼風君が通ってる一ツ葉高校って聞いたことがないんだけど、どこにあるの？」

涼風君は少し困った顔をした。

「東京とか千葉、熊本。他にもあるけどね。一ツ葉高校は通信制だから。ちなみに俺は通学しなくてもいいコースだよ。」

その答えに私はちょっとびっくりした。

私の周りには通信制高校に行っている人がいなかったから、とても珍しいものだって思ってたんだ。

「通信制高校って言うと驚かれることが多いけど、最近は人気になってきているんだ。自分のペースに合わせて勉強できるっていうのが大きなメリットかな。学校にもよるけど有名大学に進学しているところもあるよ。」

私はちょっと恥ずかしく思った。

だって通信制って病気がある人とか、不登校の人が行くものって思ってたんだもの。

それは偏見だったんだ。

「じゃあお前の場合、大学進学はどう考えてる？」

「東京大学を目指してる。留学もしてみたいとは思うけどお金の事情がね。」

涼風君は恥ずかしそうに笑った。

それにしても留学できないから東大って…お兄ちゃんもこんな感じだったのかなぁ。

「話を変えるけどここの名称はどうする？」

「まず、案があるものは挙手！」

若武が叫んだ。

私は一瞬、このまま三谷Sで通してしまってもいいかなと思ったんだけど、校舎が違うからやっぱり変えた方が良いって思い直した。

「まず俺の意見だが、」

若武はこほんと咳払いをする。

「spesial smart student.略してSSS(トリプルエス)だ！」

それはないでしょう。

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