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今日は合宿最終日。
もう誠凛さん達は帰っていてハードメニューをこなす選手たち。
この後、ベンチメンバーと私だけ監督に残れと言われているのだ。怒られたらやだなぁ、私何にもしてないのに、とずっと考えていた。
｢あ、お昼休憩です！｣
さっき作ったおにぎりを渡していく。空の紙コップも渡し、監督の所へ急ぐ。
｢お前らは特に頑張って練習をこなしていたからこれは俺からのご褒美だ。｣
そういって渡されたのは手持ち花火。
｢わぁ〜〜！！！！マー坊ありがとう！！！！！！！！｣
｢おっまえ！それで呼ぶな！というかどこで知ったんだそれを…｣
｢てへぺろっ、それは秘密ですよ〜〜〜〜｣
周りからどっと笑いが溢れ笑われる監督。
次のウィンターカップで先輩たちとできる最後のバスケ。少し悲しくなったが、先輩達のために、私達のために、優勝を絶対にする、と思えた。
｢ねぇしんちゃーん！線香花火しよ！！｣
｢Aは相変わらずなのだよ。｣
俺は花火などやらないのだよ、なんて言いながら一緒にやってくれる。
花火の中で線香花火が1番好きなのだ。この静かな感じ。たまらなく落ち着く。
私達以外の人はみんな花火を持ってぶんぶん振り回してたりどっちが多く持てるか競争をしてたりなど男子高校生っぽいことをしている。
｢ははっ、先輩達もやってる事馬鹿だなぁ…｣
｢…そうだな。｣
｢ねぇ…｣
｢…なんだ？｣
｢………やっぱなんでもない。｣
優勝してね、と言おうと思ったが、やめた。絶対に優勝してくれる。みんななら。
だって私のチームメイトが1番強いから＿＿＿
｢絶対…優勝。｣
｢お前も一緒にな。｣
｢…！うん！！｣
｢おーーい！小咲ちゃんも真ちゃんもこっちち来いよーー！！！！！！！！｣
俺は行かないのだよ、と断固拒否するしんちゃんを置いて、私は高尾くんの元へ行く。
今日だけは、一緒に花火振り回すのも悪くないのかなって。
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作者名：なの | 作成日時：2021年4月5日 0時
