大切な人の席【江戸川乱歩】

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Aside

「乱歩さん、そろそろ離してあげてください。本当に息できなそうですよ？」

「むう…」

「ぷは…生涯の中でこんなに空気が美味しいとは」

やっと離れてくれた江戸川は、まだ不服そうな顔をしている

何か言って欲しいような…なんというか？

包帯君のお陰で、極上の空気を吸えて嬉しい

「僕に何か云うことあるんじゃないの？」

「？御免なさい？」

「違う！」

「ごめんあそばせ？」

「ちーがーう！」

考え込み、色々頭の中で回答をだす

何だろう…？

あっ若しかして

「ただいま」

その言葉を待っていたかのように顔を輝かせて

「おかえり！待ってたよ！」

そう聞いた時、心が暖かくなった

ちゃんと誰かが待ってくれてるって幸せなんだ

周りの皆も暖かく見守ってくれた

…厭、プロポーズされた訳じゃないけどね

あっそうだよ

福澤社長に湯のみ渡さないと

いつの間にか社長室に戻っていた福澤社長に湯呑みを渡す

湯のみの中を見た時、少ししか顔を出さなかったが嬉しそうな顔をしていた

「あー！！僕の駄菓子減ってる！！A！！」

「おっとと…福澤社長匿って」

「…」

多分、福澤社長も思ってるだろうけど直ぐバレる

「隠れても無駄！ほら！」

ほらね？

「わぁー福澤社長ー助けてー」

「…すまん」

申し訳なさそうな顔をした福澤社長

僕は江戸川に首根っこ捕まれ社長室から出ていった

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