８６歩 ページ9
＿＿＿
それから数日たって、あんずさんの調子が完璧に戻った頃。
朔間先輩によるレッスンに明け暮れていた僕はある教室に向かっていた。
理由はというと、日々樹先輩に衣装を取りに行ってほしいとのお願いがあったからだ。
僕の着る予定(まだ納得していない)のアリスの衣装をある人に頼んでいるから、手芸部の教室へ向かっているのだった。
『ここかな』
指定された教室のドアをゆっくり開ける。
生地や裁縫道具などが豊富に並んでいる教室だ。
パッと見生徒は見当たらない。
「んあ？ Aちゃん？」
『ん？』
少し奥まった場所から少しだけ顔を覗かせている男の子が声を上げた。
この声、もしかして＿＿
『みかくん？』
「おおっ！ やっぱりAちゃんやんな！ そないな格好してどうしたん？」
『ええっとそれは・・・』
「影片、うるさいのだよ。静かにしたまえ」
えーっと、状況を整理しようか。
ひょこっと僕の前に姿を現したのはまさかの、みかくん。
ランボくんの好きな飴をよく買いに行くキャンディ専門店で出会って、たまに一緒に出掛けたりもしていた仲だ。
オッドアイが特徴で、たしか男の子が苦手だって言っていたはず。
まさかここにいるとはなあ。
『実はかくかくしかじかで、』
「そ、そうなん？！ 俺に協力できることがあったら何でも言ってな？」
「影片！ 何度言ったらわかるんだ」
「ご、ごめんなっお師さん」
みかくんに着いて行くと、そこにはサーモンピンクの髪をした育ちの良さそうな生徒がいた。
ネクタイから３年生だと判断できる。
「む？ 貴様は？」
『２年の天ヶ瀬Aって言います。手芸部に衣装を取りに行って来てと部長に頼まれたもので』
「・・・お、お前が着るのか？」
『？ お、恐らく』
日々樹先輩は僕の衣装を頼んであると言っていた。
名前の知らない先輩の驚きように疑問を抱きつつ待っていると、先輩が一つの衣装を取り出した。
フリフリのフリルがついたエプロンドレスに、ところどころリボンがあしらわれた青いワンピース。
太ももの辺りまでありそうな丈のソックスにリボンのような形をしたカチューシャ。
正真正銘、童話に出てくるアリスのような衣装だった。
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ノア(プロフ) - 雪兎さん» はじめまして、ありがとうございます！晃牙くん推しなので、あの可愛さが伝わったら嬉しいです！更新頑張っていきますー！ (2016年8月3日 10時) (
レス) id: f8f287b969 (このIDを非表示/違反報告)
雪兎 - はじめまして！毎回楽しく読ませてもらってます！106話の晃牙君がとても可愛かったです！これからの、文化祭編もとても楽しみです！これからも、更新頑張ってください！ (2016年8月3日 9時) (レス) id: 83fd0e6026 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - 抹茶善哉さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！もっともっと楽しんでいただけるように更新頑張ります！！ (2016年7月27日 22時) (レス) id: f8f287b969 (このIDを非表示/違反報告)
抹茶善哉(プロフ) - はじめまして！楽しく？読ませてもらってます！(上から目線ゴメンナサイ)話の続きが気になるので更新頑張ってください！(上から目線ゴメンナサイ(二回目)) (2016年7月27日 21時) (レス) id: 8794c6d668 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ノア | 作成日時：2016年7月3日 14時
