第参話「猪と少女と」 ページ5
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気に入らない女がいる。いつもヘラヘラ笑って、弱いのか強いのかわからない変な女。惣一郎曰く、俺よりも階級が上らしいが、
『伊之助？どうしたの？』
信じられる訳ない。細っこい腕は、俺がつきとばせば簡単に折れるだろう。
特に、こいつが俺の近くに来るのが嫌だ。フワフワして、温く暖かい湯に浸かっている気分になる。
「寄るんじゃねェ!!」
今日は、その妙な女と一緒の任務になっちまった。紋逸が羨ましい、と叫んでいたが俺にとっては最悪だ。
覗き込んできた女から視線を逸らして、静止する声を無視して歩く。あいつの気配が遠のく。やっと1人になれたことに安堵していると、鬼の気配がした。
「アァ……肉の臭いがする!!美味そうな肉の臭いがァ!!」
刀を構えた先に鬼が現れる。涎を垂らす姿に、ニヤリと笑って向かい合う。ｰｰやっぱり、こうでなくちゃな!!
「ハハ!!猪突猛進!ちょと、……っ?!」
斬りかかろうとした瞬間、腕に痛みがはしった。見てみれば、斬られている。
(何だコイツ……!!速すぎて捉えきれなかった)
「その顔、良いなァ……!!」
鬼は余裕そうに、舌なめずりをしながら笑ってやがる。だが、腕はくっついている。なら、刀は振れる。
「腕斬ったからって、俺は止まんねぇんだよ!!」
__獣の呼吸 参ノ牙 喰い裂き
二つの刀を交差させ、左右に振り抜く。手応えはあった。だが、鬼の体を見てみれば傷は僅かにしかついていない。
(あ"ぁ!!苛つくぜっ！)
苦手な女と一緒の任務になるわ、鬼はクソ面倒臭いわで、苛苛してくる。そのせいで、鬼が背後にまわっていたことに気づかなかった。焦って、振り向くいたが刀を振るのは間に合わない。
__罪の呼吸 伍ノ型 女王の処刑台
俺に向かってきた鬼の頸が飛んだ。宙を舞った鬼も、俺も驚いている。誰が、と思ったがすぐにわかる。ここにいるのは俺か、
『大丈夫?!間に合って良かった』
この女しかいない。木の上から降りたった女は、予想通りヘラヘラしている。さっきの苛つきが輪をかけて気づけば、俺は女の胸元を掴んでいた。
「余計なことしてんじゃねぇ!!俺は、1人でもこの鬼を斬れたんだよ!」
『ごめんね。でも、伊之助怪我してる！早く藤の家に、』
「いらねぇ。余計なことすんな、俺に構うな」
俺の怪我をみて、女は顔を青くする。ｰｰ弱味噌が。こんなの舐めときゃ治るだろーが！
『ふざけないで』
聞いたこともない、低い声が響く。
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白猫さん(プロフ) - 泣きました。泣きました。 (2021年10月10日 20時) (
レス) @page39 id: d1d66ac9b7 (このIDを非表示/違反報告)
おもち - あと、今更なんですが、1話の「宇隨」ではなく宇髄だと思います！ (2020年9月27日 14時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
おもち - はじめまして！お話面白かったです！更新頑張ってください！ (2020年9月27日 14時) (レス) id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
ちょこもち(プロフ) - mustardさん» コメントありがとうございます。最後の話は私自身、悩み悩んで書いていた部分なのでそう言って貰えると嬉しいです！夢主にも鬼滅キャラにも今世では幸せになってほしいです…楽しんでもらえて、良かったです^^ (2020年4月14日 22時) (レス) id: cb630583b4 (このIDを非表示/違反報告)
mustard(プロフ) - わぁ！完結おめでとうございます！！とても面白く読ませて頂きました。夢主ちゃんが最後に皆に会いにいく所で涙が出そうになってしまいました（笑）今世で幸せになって欲しいです。 (2020年4月14日 20時) (レス) id: e36ed0dc7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちょこもち | 作成日時：2020年3月18日 17時
