【あんスタ】*求めてやまない。*２ (ページ10)

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５８話ページ10

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「ビジネス……ライク？」

ふふん、と鼻を鳴らす斎宮先輩。聞き慣れない言葉だったので、もう一度馴染ませようと口にするが、分からない。私がまだ子供なんだという証拠。

いつもいつも、先輩が大人の柵(しがらみ)から守ってくれていたから。だから今まで、そういったことにも無縁でいられたのだ。

「ふん。零の施すプロテクトがここまでとは思っていなかったのだよ、君は何も知らなさ過ぎる。」

「自身は周りよりも一歩退いた目線でいるのだろうけど、それでもこの僕には分かってしまうよ。」

腰に設(しつら)えた歯車を撫でまわす。一周、二周と、気持ち良くて眠ってしまいそう。朔間先輩にこんな所を見られたら、大変なことになる。膝の上で転がされてる私は、さぞかしチョロいことだろうね。

「さあ、口を開けて。メンテナンスをしよう。口の形は___そう、その形だよ。腕を僕の肩に預けて。もっと顔を寄せて。」

いつもとは違う柔らかい口調に、つい従順になってしまう。人形になる引導を渡されそうになったところで、ぱっと催眠術が解ける。

「お師さ～ん！」

「……こんなに君の存在を恨めしく思ったことは初めてだよ。この失敗作め！君には脳みそが入っていないのかね、僕は確かに伝えておいたはずだけれどねッ！」

「……う、ぁ……さくま、せんぱ…」

重くなった情報量を振り切るかのように、私は意識を手放す。一度眠ろう。身体が重くて、明らかに疲れが溜まってる。無理、無理。眠りたいの。朔間先輩に連絡を入れて迎えに来てもらわないと。