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暁 −肆− ページ10

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"仕事だ"

と言い聞かせ
水揚げまでに何度も準備をした

毎夜、和也に触れるたび
理性を保つのに必死だった

触れるたび
泣かせるたびに
垢抜けていき
色香ただよう和也

"仕事だ"

何度も頭に思い浮かべ
絶対に最後までしないよう
自分に言い聞かせた

和也の水揚げまでを過ごした

あれから
翔は見初められ
ここからいなくなった

和也は
慕っていた翔がいなくなったあと

あっと言う間に
この吉原全土に広まる
花魁になった

高嶺の花…

そうだな
俺なんかが
手が出せるようなやつじゃなくなった

美し……

いや
美しすぎて怖い

妖艶すぎる

瞳があえば取り憑かれる

儚さが残る和也は
花魁へとなった…


10のときに出会って
俺が感じた背筋が凍るような
感情…

それ以上だった

和也を想い
空を見上げれば
そこには
おぼろ月

今日も可憐に
男の下で花を咲かすのだろう

どうか
時代は流れても
俺の想いは消えないでくれ
追いかけても
追いかけても
きっと届きはしないだろう


ただ
夢の中だけでも
触れられなくてもいい
ただただ
魅せられる…


この世の
儚き世界で夢の中だけでも
自分のもので…



ただただ
想う…

手を伸びしても届かぬ想い
溢れる気持ちは
過ぎてゆくだけ

「和也…聞こえていたか?覚えているか?」

最後の日
いつものように
堕ちた和也の髪を梳きながら

囁くように

「どうか時代がかわって生まれ変われたのならそのとき、おまえと出逢ったときは俺のモノでありますように…愛おしい愛おしい【俺の華】…」


心ならずも
このはかない世で
生きながらえていたならば
きっと恋しく
思い出されるに違いない
この夜更けの月が…


俺のこの想いも汲み取ってくれるだろう…





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暁 −伍− 終→←暁 −参−



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REN(プロフ) - 綺佳さん» 甘い大宮さんはたまらんです!あたしのほうがいつも綺佳さんからたらふく頂いてますよ!ごちそうさまです(*´▽`*) (2021年7月7日 11時) (レス) id: 7382997a0d (このIDを非表示/違反報告)
綺佳(プロフ) - まとめて読ませていただきました♪アメブロさんもまた順にたどらせていただきまーす!あまーい大宮さんはやっぱりたまらんですね。ごちそうさまでした。 (2021年7月7日 0時) (レス) id: 497d776a16 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:REN | 作成日時:2021年1月18日 15時

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