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第陀話 ページ7

ー本郷家本家
「お待ちしておりました。貴虎様。A様」
出迎えたのはマリアの息子で、世界屈指の実力を持つ理人だった。
「おじい様はどちら?」
「奥にて近藤様と談笑なさっております」
「そう。貴虎様」
「ああ」
夜会自体は何事もなく順調に進み、知人のほとんどと顔合わせが終わったぐらいの時だった。
「Aや」
少し離れた所からAを呼ぶ金太郎の声がした。Aは顔を少しだけ強ばらせた。貴虎は組んでいたAの腕をそっと撫でた。
「大丈夫だ。俺がいる」
Aは貴虎にいつもどおり微笑んだ。
「はい。おじい様」
「今回はお招きして頂きありがとうございます」
「Aは役に立ちそうかね」
「はい」
「そうかそうか…」
金太郎は何かを思い出したかのように頷いた。
「そうじゃった。A」
「何でしょう?」
「貴虎を手伝いたいのだろ?」
「はい」
「ホールディングスをお前の代わりに指揮してくれる者を雇ったのじゃ」
「それはどなたですか?」
金太郎が合図するとあの男が出てきた。
「久しぶりですね。A」
「横谷…さ…ん」
Aの身体が震え出した。
「旦那様。奥様。近藤様がお待ちになっております」
遠くから見ていたマリアがAの異変を察知し、助け舟を出しに来たのだ。
「わかった。申し訳ありません。この話はまた今度機会を設けさせて下さい」
話の間も横谷はずっとAを見ていた。横谷の目に、過去の記憶が蘇ったA。殴られる日々。焼ける匂い。忘れたい光景。音。一層震えが増し、Aの全身の力が抜け立っていられなくなった。フラッシュバックに囚われたAの息が少しずつ荒くなっていく。貴虎はAを支えるために組んでいた腕をAの腰に回した。
「ああ。近藤は1番大きな商売相手じゃからな。行くがよい」
貴虎は会釈しAと共に会場を後にし、本郷家にあるAの部屋に移動した。Aをソファーに座らせた。
「マリア」
「はい。全て心得ております。」
マリアは近藤に口裏を合わせてもらうなど、主を守る為に部屋を出ていった。
「A抱きしめていいか?」
Aは微かに頷いた。貴虎はAを抱きしめ、Aの背をさすることしか出来なかった。自分の無力さに腹が立つ貴虎。
「奴はここにはいない。俺がいる。俺が守る。大丈夫だ」

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秋桜。(プロフ) - 面白いです!更新頑張ってください! (2017年1月3日 12時) (レス) id: 86e204d5a0 (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 更新がんばってください!!気になって仕方ないんです~ (2016年3月2日 22時) (レス) id: ed755ced1b (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - 続きが気になります!!頑張ってください (2016年2月13日 21時) (レス) id: ed755ced1b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 設定を少しと、主人公の名前が夢主さんになっていないところがありましたので修整しました。そして、第玖話を続きを更新しました (2015年11月30日 23時) (レス) id: 4c6f3a6970 (このIDを非表示/違反報告)
まき(プロフ) - おもしろいです(≧∇≦*)次も楽しみです(〃'▽'〃) (2015年11月29日 16時) (レス) id: ed755ced1b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年10月25日 12時

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