検索窓
今日:25 hit、昨日:6 hit、合計:6,449 hit

没シーン 第八十五話 結末 ページ24

「起きろ。A君。」

「……君が死ぬのはまだ2年先だろう。」

「綾辻先生…」



私は、思わず呟く。



「………真逆、あれが君の伏線だと言うのか?」


「何が、今は特に意味が無い、だ。君にしては随分遠回しだ。」

「本当に君の未来を推測する力は末恐ろしい。」


綾辻先生の口調は怒っているように感じた。そのままAさんの前まで歩くと──



────先生は接吻をした。まるで何処かの王子かの様に。




「えっ!?綾辻先生??!」

「起きろ。俺にここまでさせたなら尚更な。」


まさか、と思いながらAさんを見ると……目が開いた。


『……驚いた。真逆、君が本当にそれを実行するとは。』


彼女は笑む。


「……させたのは君だろう。」

「えっ、Aさん、?!どういうことですか、?!?」


私は酷く困惑したまま、状況説明を求めた。何が起きているのかさっぱり分からない。



『異能力をかけてもらった。安吾に紹介してもらった異能者にな。』

『その異能力は白雪姫、その異能にかかると、重度な瀕死状態の時、接吻をされると回復する。効果は1度切りだ。』




「……だからあの時白雪姫の話を持ち出したんだろう。」

『………別に接吻の相手は誰だって良かった、誰にされても目覚めるからな。』


『真逆、本当に綾辻先生本人がやるとは思わないじゃないか…誰かに頼むだろうとも考えたんだがな。』

「此の方が手っ取り早い」

『嗚呼、其れもそうだな。』


流れる様な会話で、思わず私もそのまま頷きそうになったが、おかしいと気づいて瞬時に会話を止めた。


「一応女の子何ですよ!?誰でもいいなんて云っちゃ駄目です!」

『別にどうだっていいだろう。ファーストキスとか気にするような餓鬼では無い。』

「気にしてください!!」


何を言っているんだこの人は!と思った。どうしてこんなにも気にしない人なんだ……と頭を悩ませる。



「……今回ばかりは辻村君に同感だな。」

『…なら、綾辻先生も別の人に頼めば良かっただろう。候補は合ったはずだが。』



「……俺以外に取られるのが癪だと言ったら?」



Aさんはポカン、とした。
私は、え!?それって……と口を押さえて驚く。ニヤついてはいない、決して──神には誓えないが。



『……それはそれで面白いな。』


「チッ、少しは反応してくれてもいいだろう。」

『悪いな、2年間過ごして来ただけあって見飽きた。』



───そう云うAさんは幸せそうに笑った。

第一話 忘却の異能→←初期設定



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (53 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
71人がお気に入り
設定タグ:文豪ストレイドッグス , 文スト外伝 , 綾辻行人   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:蒼月 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2024年1月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。