優しさと涙と優しさと ページ20
走って部屋へ戻る征ちゃん。
その背中を見ながら、やはり二人は相思相愛の、恋人なんだと思った。
自分が、入れないグループ。
自分が、Aちゃんと作ることのできない、グループ。
傍で見守ることしかできないのは、とても辛い。
でも、Aちゃんが幸せならばそれでいい。
もし、Aちゃんと征ちゃんがそのグループを解散しそうになった時
結成させることができれば、それでいい。
どうか
この胸のうちは
変わらずにいてほしい…
私も、Aちゃんも、征ちゃんも。
*赤司目線*
『Aが泣いている』
可能性でしかない、不確かな情報なのに。
心配でならない。
レオの言うことだからかわからないが…
妙に説得力があって…
そんなことを考えているうち、あっという間に部屋についた。
ドアを開けると、うずくまって顔を隠しているAがいた。
赤「A?」
貴「せ、征君…私……
すみません、今ちょっとしゃべれる状態じゃなくてっ……」
震えるAをそっと抱き寄せ、頭を撫でる。
抱きしめた瞬間は少し驚いて震えていたが、安心したらしく。
大胆な行動に出て成功だった。
何せこの前まで手を繋ぐのも躊躇っていたのに。
泣いてるAを、放っておけなくて。
出会ったときと、同じ心境だった。
貴「すみません、もう大丈夫です…
ちょっと色んな気持ちがごっちゃになってしまいまして…」
涙を服の袖で拭きながらトーンの低い声でしゃべる。
貴「でも、私がメソメソしてたら、征君にも迷惑がかかってしまいますし…
明日予定している葉山君との約束も、暗くなってしまいますし…
吹っ切ることにします!」
明るい笑顔で笑う。
きっと心配をかけたくないんだろう。
赤「……A。明日、レオと小太郎を起こしにいってくれないか?
レオはともかく、小太郎は寝起きが悪いから
早めにいってくれると助かる」
貴「…はい、わかりました!」
レオに限ってAを避けるということはしないだろう。
だとしたら、Aとちゃんと和解してくれないと困る。
ギクシャクしたままではどっちも気が晴れないだろう。
うまくやってほしいものだけど
……まぁ小太郎のせいで拗れないことを願おう。
赤「あ、あと僕のことは起こさなくていい。
自分で起きるから」
貴「え?はい…?」
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純粋林檎(プロフ) - ひーさん» こちらの方でもコメント、ありがとうございます。返信が遅くなってしまい申し訳ございません…このシリーズは長くなる予定なので早めに更新できたらと思ってはいるのですが…少し忙しい時期なので、もう少し先になるかと思われます。ごめんなさい… (2016年11月20日 15時) (レス) id: c90e2fd146 (このIDを非表示/違反報告)
ひー(プロフ) - とっても面白いです!更新頑張ってください!!できたら長めに作ってくれたらなーなんておもってます (2016年10月23日 21時) (レス) id: f2e1bf9994 (このIDを非表示/違反報告)
純粋林檎(プロフ) - パステルカラーさん» この無駄に長い駄文、読んでいただきありがとうございます!コメントを励みに頑張っていきたいと思っていますので、待っていただければ幸いです。 (2016年8月15日 8時) (レス) id: c90e2fd146 (このIDを非表示/違反報告)
パステルカラー - とってもおもしろいです。毎日帝光編から読んでいます。どんどん更新して下さい(*^o^*) (2016年8月10日 18時) (レス) id: 39cdab0bf7 (このIDを非表示/違反報告)
純粋林檎(プロフ) - 真昼ノ夜さん» コメントありがとうございます(`ω´)ゝ更新したいのもやまやまなのですがリアルな方で忙しく…頑張りたいとは思っているので、待っていただけると光栄です (2016年8月6日 3時) (レス) id: c90e2fd146 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:純粋林檎 | 作者ホームページ:http://KAITO
作成日時:2015年3月20日 20時