キミに復讐したいから【赤司征十郎】

第２章『夢の場』 ページ13

「んっ……。」



目を覚ますと、辺り一面白い光に包まれていた。



ここどこだ？
確か、体育の時間に頭打って倒れて……それで？



保健室に行くはずだよね？



じゃあ、ここは夢なのかな。



……あの出来事も、夢ならいいのに。



私の何がいけなかったんだろ。
何が嫌だったのかな、征十郎は。



「はぁ。」



ため息をつき、その場にうずくまる。



泣きたい気分だよ、まったく。
いっそこのまま夢で生きようか。



『ねぇ。』

「え？！」



突然後ろから声が聞こえる。
しかも、毎日毎日聞いてる、もう聞き飽きた声。



私の声だ。



『初めまして、って言った方がいいのかしら。』



妖しい笑みで、凛々しい姿で立っている女。



声も容姿も私なのに、口調や佇まい、オーラが全然違う。



「誰？」

『私は、私だよ。』

「はい？ドッペルゲンガー？」



それを聞いた瞬間、私は自分の目を手で覆う。




『…だからって目を覆わないでくれる？
話しづらいでしょう。』

「だってみたら死んじゃう。」

『死なないわよ、そんな迷信信じてるの？』



なんだよ、私のくせに頭いいし饒舌だしなんか、悪女みたいな話し方なんだけど。



本当に私なの？



「なんで、私が目の前にいるの？
本当に貴女は私なの？」



信じることはできない。



自分がもう1人いるなんて、そんなのありえないこと。



しかも性格全然違うし。



『信じてよ、私は貴女。

貴女の中に眠る、もう一つの性格。』



もう一つの、性格？

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