キミに復讐したいから【赤司征十郎】

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征十郎、どこに行ったんだろ。



黒羽さんもいないってことは、一緒にいるの？



誰かが倒れたり、怪我したら必ず何処かで騒ぎが起こるはず。



起きてないってことは、体育館の近くにいるはず。
征十郎だって、長時間サボるほど馬鹿ではない。



ボールを交わし、投げつつ、体育館を見渡す。



ある一点に、目が止まった。



……あれ、目おかしくなったかな。



幻覚まで見るようになっちゃった？



私が今見てる光景は、夢かな。



夢なら覚めて。



お願いだから！



こんなの、信じたくない。



「ははっ……。」



体育倉庫が開いていた。
そこに、二つの影が見えた。



ちょっと私が移動すれば、征十郎と黒羽さんの姿が。



キスしてる、二人の姿が。



馬鹿みたい。



私一人舞い上がって。



私だけが、愛していた。



いつからかな、貴方の目に私が映らなくなったのは。



授業中なのに何やってんの。



征十郎が外野に行った理由は、これをするため。



黒羽さんが内野にいたのは、怪しまれないため。



何を考えられない。



何も考えたくない。



私は、貴方を愛していたのに。



「A！！危ない！！」



ぼーっとしていると、さつきの声が聞こえた。



それで我に帰る。



相手側のコートを見れば、私の目の前にはボールがあった。



男子が投げたのだろう。



速い球が、私の頭を直撃した。



痛い……。



頭も、心も。



私はその場に倒れてしまった。
かっこ悪いな、こんなことで倒れるなんて。



「A！！」


さつきが駆けつけたところで、私の意識はなくなった。

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