中原の覇王 part6 (ページ7)

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213話ページ7

事の発端は、とある学者の発言だった

盧「人目を避け続ければ神が現れ、不老不死の薬が貰えます」

政はこれを信じ、不老不死の薬を貰うため徹底して人目を避ける

当然神など現れず、理由を聞こうとするが…既にこの進言をした学者の廬生は、政を散々に馬鹿にして去っていた

盧「始皇帝は生まれながらの強情者。更に成り上がっていったため歴史や伝統を軽視する。牢の管理人ばかりを優遇し、学者は冷や飯を食わされる。処刑を楽しんでばかりで中華は震え上がり、上辺の忠誠を尽くす。相国である拓跋Aとその子達もそれと同類の娼婦で、下僕上がりの大将軍の信も本来朽ち果てるべき汚物ある…まさに、天下を我が物とする独裁者なり！！」

これには政も、遂にキレた

自分が誹謗されたのではなく、自身の姉貴分や心の友が侮辱されたからだ

政は執念の捜索で廬生を捕えた

政は蒙毅に命じて廬生の取り調べを行わせた

廬生は罪から逃れるため、別の者を告発し始めた

その後、芋蔓式に発覚した法を犯した者四百六十余人を全て咸陽で生埋めに処し、天下に知らしめて後代の戒めとした

この事件は前年の焚書と合わせて、"焚書坑儒"と呼ばれ、国の秩序発展に大いに貢献するも、政を暴君と誤解させてしまう

その際、政の太子・扶蘇が諫めて言う

蘇「天下が平定したばかりで遠方の民はまだ帰心せず、諸生は皆、孔子の言を信奉しております。今、父上は全てにおいて法を重んじ、彼等を捕縛させましたが、私は天下が不安定になることを恐れます！父上の明察を請います事を…」

政「扶蘇よ。儒学者は愚論を並べて人々を惑わせ、法刑を軽んじ、国を乱す愚物であるぞ。お前は世の中をまだ知らない」

政は決断する

政「扶蘇、扶越。其方らは北方の蒙恬将軍の元に出向き、"軍監"としての任を果たす様に。あわよくば、蒙恬の元で人生の修行もしてこい」

政は扶蘇と扶越を北の上郡に派遣し、蒙恬の監軍を命じた

3年前、拓跋珪は次男が誕生していた

嗣と名付けられたこの子は容姿端麗で、臨機応変に物事に対処できた

3歳にして、眉や鬢は描いたようにはっきりとしていた

政は、Aに絶大な信頼を寄せていた

政「お前達がAに仕える事は、俺に仕えるのと同じである！俺の死後は、Aを親とするように！」

政は扶蘇と扶越に常々言っていた

政は何時もの様に政治の仕事を終えると、個室に拓跋珪を呼び出した