中原の覇王 part6 (ページ28)

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234話ページ28

信の武勇は凄まじく、拓跋珪は大苦戦を強いられる

だが拓跋珪には、慕容恪や石勒ら、Aが馬賊だった頃からの配下を筆頭に、歴戦の勇者達が揃い踏みしていた

このため、巧みに持ち堪える事が出来たのだ

信「くぅ…！破れそうで破れねぇ！」
瘣「なんて粘りだ…！」

珪「はぁ…はぁ…官渡には…母上の元へは死んでも行かせない！」

密使は咸陽に辿り着き、王猛と張賓に協力を要請する

二人は敵方の有力な大将…辛勝に狙いを定める

賓「辛勝将軍、Aさんは決戦に臨みました。これは勝ち目があるからであり、Aさんの勝利は必然と言えます」

辛「む…」

猛「それに…武人を目の敵にする李斯が、お前を重宝することはない。よく考えるのだ」

辛勝には心に頷くものがあった

これもあって、辛勝は積極的には戦わなかった

官渡に辿り着いたAの軍は、3万に減っていた

赫連勃勃に敵の兵糧庫を探らせる為に、1万の兵を渡した為だ

「奴等、正気の沙汰じゃありませんな！」

風「油断するな。元帥はあのような状況から、何度も逆転してきたのだ」

壁「前に出すぎず、数を持って磨り潰していくぞ！」

90万を超える敵軍は、津波の如き攻撃を仕掛ける

対してA軍は、左翼軍大将の王賁と中央軍大将の項羽が、槍と剣で武勇を見せつけ、敵に多大な損害を与えた

右翼軍大将の蒙恬も、先陣に立って味方を鼓舞し、Aも並外れた弓術を発揮して、敵将を射殺す

だが衆寡は敵せず、1万の兵が討たれてしまう

恬「このままでは、絶望的です！」

『…明日には、覚悟を決めなくてはならんかもな…』

絶望的な状況で、赫連勃勃は敵軍最大の軍需土地、鳥巣に到達するも…

勃「何だこりゃ…全く隙がない…！」

阿「ど、どうすんだよ…族長！」

勃「どうも…出来るか！」

余りの防御の固さに、手持ちの兵ではどう考えても、攻略不能であった

最早、A達の敗北は決まったかに思われた…

李斯は決定的となった自軍の勝利に、上機嫌だった

そこに、李斯に付いた章邯が李斯に進言する

章「勝利が目の前にある時が、一番危険な所です。現在倉庫近辺に、赫連勃勃が1万の兵を率いて彷徨いています。私に3万の兵を貸して下さい。それで赫連勃勃を討てば、万に一つも負けませぬ。嘗て、僅かな隙を桓騎や拓跋Aに突かれて敗れた、扈輒の様にならぬように…」

章邯の進言に、李斯は不快な気持ちになり…