中原の覇王 part6 (ページ27)

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233話ページ27

将軍達を集めたAは、事情を話す

『実は李斯が、陛下の密命を受けたと称して檄文をばら撒き、信を総大将とした100万の軍で私を討とうとしている』

将軍達がざわめく

『今のままでは到底勝ち目はない。幸い奴等は、私だけを標的としている。皆は私の首を斬り、奴等への手土産とするようにしてくれ！』

静まる中、A傘下の将達が言葉を発する

恪「私はAさんがいたからこそ、秦の為に力を尽くしてきました。私はAさんに…最期までついていきます！」

勒「慕容恪の言うとおりだぜ！長年の主人を命惜しさに捨てるかよ！」

垂「李斯って言っても、今は愚か者の筆頭に過ぎないからね！そんな奴に乞う命なんてありはしないし！」

徳「俺もっす！姉さん達の様に、付き従うまでっす！父や儁兄さんだってそうした筈っす！」

虎「私は、長年周りから鼻つまみ者として扱われましたわ。ですが、Aさん達はそんな私にも、妹同然に接してくれました。Aさんを裏切るなんて選択は、存在しませんわ！」

姚弋仲や苻雄、冉閔や赫連勃勃、アルサケスも同じ事を言う

賁「我らは、中華統一後は中華に仇なす賊を滅ぼす為に、活動してきました。その対象が李斯になった…それだけです！」

恬「陛下は小人どもに、無理やり迫られているだけで、内心は迷いがある筈です。李斯を討ち、事情を改めて説明する以外にありません！」

自軍の結束を確認したAは対策を練る

『今のままでは到底勝ち目はないが…信を主戦場に参戦させなければ、勝ちの目は出てくる』

珪「なら俺が、信将軍を食い止めます！」

『珪…分かった。勃勃以外の私の傘下は、全員珪の元で動け』

拓跋珪は、Aの傘下将軍ほぼ全員と、5万の兵を率いて出陣した

他にもAは咸陽に密使を送った

玲「私や冒頓、檀石槐が、趙や匈奴、東胡から大軍を引っ張ってきます！」

『それには、どれくらいかかる？』

玲「恐らく…3日か4日かと…ですが成功すれば、形勢は逆転します！」

『分かった。それは任せた』

趙玲達も1万の兵を率いて、北に向かう

賁「主戦場は、どこに定めましょうか？」

『主戦場は趙と魏の境…官渡だ』

拓跋珪は5万の兵を率いて、飛信隊7万と対峙する

信「珪…出来ればお前は殺したくねェ…今のうちに降参してくれ！」

珪「俺は国賊李斯を討つ為にここまで来ました。邪魔すれば、例え飛信隊でも容赦しない！」

中華の猛将信と、帝王の息子の拓跋珪が激突する

官渡の戦いが始まった