中原の覇王 part6 (ページ3)

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209話ページ3

国家体制を整えた政は、様々な事を統一していく

それまで各地で異なっていた漢字の書き方を統一し、各地でばらばらだった度量衡を統一した

また、道幅を整えた公用道路を全世界に展開し、交通インフラを整備すると、使用する車の軌道の大きさなどを統一して、整備性を高めて物流にも貢献した

中華を統一した政は、前よりも恐ろしく勤勉となり、天下の事務は大小となく自ら決裁し、書類を天秤で量って昼と夜の分に分け、全て処理するまで休まなかった

Aや李斯、王猛や蒙毅、趙悠や張賓も、統一された法治政治の理解者が少ないということもあって、激務をこなして政を補佐した

そして数年後…越南が、会稽郡を侵した

更に…頭曼単于が秦への謀反を企む

冒頓が諌めても聞かなかった

この為、冒頓は頭曼単于の抹殺を決める

抹殺に当たり、冒頓は私兵を秘密裏に養成していた

冒「僕が鏑矢を放ったら、すぐさま同じ方向に矢を放ってね」

まず野獣を射た

冒「何で君たちは撃たないの？」

「あれだけ刺されば充分かと…」

冒「そっか。じゃあ死んで」

冒頓は射なかった部下を皆殺した

次いで自らの愛馬に向かって射て、同じく放たないものは斬り殺した

更に、自分の愛妾を射った

冒「何で射なかったの？」

「た、太子様…あの方は奥方様です…とても我々には…」

冒「そうなの。じゃあ死刑で」

放たないものは斬り殺した

そして…父の愛馬を射るときには全ての部下が矢を放った

冒「うんうん。やっと使える様になったね」

こうして忠実な部下を得たのである

ある日、頭曼単于に従って狩りに行った

冒頓は頭曼単于に矢を向ける

頭「！？冒頓！？何のつもりだ！？」

冒頓は頭曼単于に鏑矢を撃ち込む

間髪入れずに、左右の者も頭曼単于に矢を撃ち込んだ

頭「冒頓…貴様…！」

頭曼単于は冒頓に怨嗟の声を上げて息絶えた

冒「さて…仕上げだよ」

冒頓は頭曼単于の継母や、その息子に襲いかかる

「冒頓！？何のつもりです！？」

冒「僕や秦王、A姉さんの死を望んでいたみたいだけど…その逆になったんだ」

冒頓は継母と弟、および大臣で冒頓に従わない者も全て誅殺していった

首が晒されているのを静かに冒頓は眺める

「ほ、冒頓様…！？これは一体…？」

その後ろに屈強な男たちが並んだ

冒「どうする？気に入らないなら僕を殺して、誰かが新しい単于になればいいよ」

「我等が冒頓単于様…万歳！！！」

屈強な男たちは跪き、こうして冒頓は自ら単于に立った