中原の覇王 part6 (ページ19)

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225話ページ19

間者から母である陽の死を知らされる扶越

大哭した扶越は苛烈に官軍を攻め立て、悉くこれを滅ぼした

そしてAと共に、総勢200万の超大軍にて咸陽を包囲したのだ

恐れ慄いた胡亥は、趙高を招いて入宮させ、向かい合って悲哭した

胡「先帝の棺の埋葬がまだ終わっていないにも関わらず、禍難がこれほどまでになってしまった！私はお前を信頼しているが、其方は如何するつもりだ！？拓跋A達に書を出そうと思うが、そうすれば止められるか！？」

趙高は恐怖のためどうすればいい分からず、ただ頷くのみであった

趙高は宮廷を壟断することにかけては魔術的なほどの力を持つ一方で、軍事に関しては疎く、大事を為す人ではなかったのだ

扶越は胡亥に書を送り、胡亥の退位及び、趙高とその一味の身柄引き渡しを要求した

届いた書を見た趙高は狂乱し、Aと扶越、その傘下将校達に懸賞金を掛け、扶越に書を送った

『趙高からは何と？』

越「話にならんな。見てみろ」

書にはこう書かれていた

"扶越及び拓跋Aとその一味は、先帝の遺命を蔑ろにし、その罪は死を持って償うべき大罪である。直ちに包囲と軍を解散し、扶越と拓跋A、蒙恬と王賁、信及びその有力な配下はこの場で自決せよ。今応じれば、一部の配下は情けを掛けても良いが、拒めばこの大地に、身の置き所が無くなるものと心得よ"

『話になりませんね。さっさと攻め滅ぼしましょう』

越「そうだな」

同時刻…李斯達は動揺していた

斯「我等は先帝に仕えた秦の臣である。今や趙高の一族が大逆を図り、我等も不忠の身となった。扶越様が到着すれば、我等は共に不義の名を受けて死に、後世にまで汚名を残すこととなろう！」

棺「我が国には功を挙げれば、罪は軽減される法があります。趙高一味を捕え、扶越様達に差し出すべきかと」

斯「それしかあるまい…！」

意を決した李斯は、趙高に奇襲を掛けて捕え、胡亥の身柄を抑えると、扶越に趙高を引き渡して咸陽を明け渡した

『趙高。折角の謀略…上手くいかなくて残念だったな。だが…謀反の罪は族滅のみだ』

高「…ッ！拓跋A！よくもこんな真似を！やはり…その場で自決を迫らず、都におびき寄せておけば！」

趙高が憤るも最早どうにもならず、ギリシャの処刑道具であるファラリスの雄牛により、惨殺された

これは苦悶する犠牲者の叫び声が、仕掛けを通して本物の牛のうなり声のような音へと変調される物だが、趙高の声は、三日三晩に渡って続いた