中原の覇王 part6 (ページ2)

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208話ページ2

中丞相には蒙毅を、蒙毅の後任の御史大夫には、趙最後の王である、趙悠を起用した

趙悠の起用には、周囲から驚きの声が上がった

政「朕は徳が少ないながらも、偶然が重なって今の地位に至るのであり、周囲からの反発を日夜恐れている。朕の姉貴分…Aは、昭王の太子…悼太子の孫娘であり、本来の秦の嫡系である！また、全ての国の王族の血を引いており、戦国の融和には最も相応しい人物だ！朕が死した後は、A…またはその息子達に、この位を継がせようと考えている」

これにAは諌めて言った

『今の秦は孝文王の系統が継いでおりまする。私は悼太子の孫とはいえども女で、子供達も女系です！私達が継いで、何故秦が続くでしょうか！？帝位は、陛下の子孫が未来永劫継ぐべきです！！』

政「ム…そこまで反対するなら仕方ない…天子が死んでから生前の行動を根拠に諡号を贈るのは、子が父を議し、臣が君を議すことであり、全く道理がないと言える。よって今後は諡法を除くことにする。朕は始皇帝となり、後世は代数によって計れ。二世、三世から万世に至り、無窮に伝えよ」

こうして…秦の始皇帝が誕生した

中国史における最初の皇帝となったのである

政「所で…Aの功績、実力は並ぶものがない。特に失点がないにも関わらず、王の地位を剥奪してしまったお詫びに…Aを嘗て呂不韋が就いていた役職…相国に任じようと思う」

『相国といえば、王の寸前の地位…それほどの高位には登れませぬ』

政「いや、これだけは譲れぬ。何としても相国に就いて貰うぞ」

Aはこれを西面して5度断り、南面して4度辞退したが、政は折れず、遂にこの詔を聞き入れた

大臣は政に進言を行った

「秦は諸侯を破ったばかりで、燕・斉・楚の地は遠く、治めるためには王を置かなければなりません。諸子を立てることを許可してください」

政は群臣に命じ、分封を議論させた

群臣の多くは分封に便があると考えたが、右丞相の李斯が反対した

斯「周の文王と武王は多数の子弟や同姓を封じましたが、後代の者は互いに疏遠になり、仇のように攻撃し合って諸侯が互いに誅伐するようになろうとも、周の天子はそれを禁止できませんでした。今、海内は陛下の力によって統一され、全て郡・県になっています。諸子や功臣は賦税によって重く賞賜を与えれば容易に制御でき、天下に異意はなくなります。これこそ安寧の術というべきものです。諸侯を置くのは便がありませぬ」

その言葉に、政は頷いた