中原の覇王 (ページ45)

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42話ページ45

廉頗とAは激しく打ち合った

廉頗が圧倒し始めていた先程とは違い、互角の勝負であった

だがAは重傷を負っており、長引けば廉頗に軍配が上がる筈だった

しかし廉頗は王騎の最期を知り、自滅を良しとはしなかった

激戦は長く続き、蒙驁や土門、蒙恬や信は声も出せずひたすら一騎討ちを見守り続けた

そんな中、廉頗がAを吹き飛ばして、地に倒す

廉「どうした拓跋A！！もうこれで…終わりかァ！！」

『そんな訳…ねーだろ！！』

Aは内部の負傷が凄まじく、常人ならば失血性ショック等で絶命しても可笑しくはなかった

廉頗も無事な所を探すのが不可能な程に全身傷だらけになっており、こちらも常人ならまともな精神を保てるのかも怪しかった

周りの人間は察していた…次の一撃で決着が付く事を

Aと廉頗はそれぞれ渾身の一撃を相手に振るった

ある程度拮抗した後、廉頗の得物を破壊して、その身体を深く斬り裂いた

Aは地面に倒れ、周りから歓声と悲鳴が上がった

Aが地面に膝を付きながら立とうとした時、廉頗がこちらに来て話しかける

廉「ぐっ…拓跋Aよ…お前は…中華最強になって…何を目指す…！」

『中華最強など通過点だ…！』

廉「何……！？」

『私は…世界を…平らげる…帝王になる女だ！！！』

廉頗は笑みを浮かべた

廉「…フッ…！随分…先の未来を…見ておる……のォ……！」

その言葉を最後に廉頗の全身から、おびただしい程の血が吹き出し、遂に廉頗は大地に沈んだ

Aと廉頗の戦いが終わった頃、もう一つの戦いが終結していた

介「ぐばァァァ！！」

「介子坊様ァァ！！」

慕容恪は四天王筆頭の介子坊に苦戦するも、最後は介子坊を貫いて勝利した

介子坊は即死は免れるも、急所をやられ、完成に手遅れの傷を負う

介「行かなくては…殿の元に…」

恪「嘗て、貴方達に討たれた将も同じ事を言ったでしょう…貴方は今、その時が来たのです」

介「…そうか…」

介子坊は廉頗との戦いを振り返りながら、それを最期に事切れたのであった

恪「廉頗四天王筆頭の介子坊…慕容恪が討ち取りました！！」

「ぐっ…！介子坊様の仇！！道連れにしてくれる！！」

周囲から歓声が上がるが、介子坊の側近と兵が慕容恪を道連れにせんと襲いかかる

絶対絶命かに思われたが、突如中性的な顔立ちの男と口を覆ったポニーテールの男が兵を率いて乱入し、介子坊兵を全員こともなげに始末した