3.〜?side〜 ページ5
ここは、とあるマンションの一室
僕はそこで彼女を監視していた
部屋にあるのは監視カメラから流れる映像を写すだけのモニターと
簡易ベッド
そして護身用の拳銃
そこでひたすら食い入るように彼女の行動を見る
これは僕達がほとんど毎日のようにやっていることだ
何故?
そんなこと決まっている
彼女を護るため。
それだけだ
こんなことで償えるような罪ではないが
こんなことしかできない僕が情けなくて仕方がない。
ーー
ある日彼女はまた血にまみれて帰ってきた
どうやら外傷はないらしく安心する
彼女は疲れているような動きで替えの服を持ち、バスルームへと向かう
ここで監視カメラが自動的に切り替わりバスルームの様子を写し始める
彼女が服に手をかけ、脱ごうとした瞬間
僕は監視カメラのモニターを切った
これは彼女のためであり、自分のためでもある。
わかるね?
ーー
しばらくするとモニターが自動的に開き今度はリビングの映像に変わっていた
彼女は髪を乾かしながら何度か[あるもの]に視線をやっていることに気づいた
それは、僕達がまた普通の家族だったころの写真だった
彼女は不意に手に持っていたドライヤーの電源を落とすと
ふらふらと立ち上がり
危なっかしい足取りでベッドに倒れこんだ
そしてその上にあるものを触り、瞼を閉じた
どうやら彼女はそのまま眠ってしまったようだ
規則正しい寝息が聞こえてくると
僕は力が入っていた肩から少し力が抜けたことに気付いた
まだ、僕の仕事はこれだけじゃない
彼女の。
Aの。
大切な妹のために。
弱音なんてはいている暇はない
僕はリモコンを動かしモニターの電源を切る
マンションからでると
見知った顔。
と、言うよりは自分と瓜二つの兄弟が
「よぉ、交代だぜトド松。」
と言いながら横をすり抜ける
僕は
「うん、カラ松兄さん」
と呟き
まだ少し肌寒い夜明け前の街へ向かい歩く
264人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「アニメ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
こたつ(プロフ) - 林檎さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて光栄です!更新はもう少々お待ち頂けると嬉しいです (2016年6月1日 15時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - この作品とても心にきておもわずないてしまいました (2016年5月31日 20時) (レス) id: 99a581fe59 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - エリカさん» コメントありがとうございます!テスト期間が終わり次第更新頑張ります!ありがとうございました! (2016年5月20日 1時) (レス) id: 84292a694d (このIDを非表示/違反報告)
エリカ - 更新頑張ってください! (2016年5月19日 23時) (レス) id: 516a27e0b4 (このIDを非表示/違反報告)
こたつ(プロフ) - 黒猫さん» コメントありがとうございます!自分の作品で泣いてくださる方がいるなんて…!恐縮です…。これからもぼちぼち頑張っていきます!ありがとうございました! (2016年3月24日 18時) (レス) id: d698e139af (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:こたつ | 作成日時:2015年12月24日 0時