【おそ松さん】私のクソ兄貴どもを知りませんか？【マフィア松】

19.〜夢主side〜（過去話） ページ22

私はそのまま家に入ることはせずに、少し間を置いてから玄関の扉を開けた。


そして、


『ただいま〜！』


と、いつものように言った。


そしてバタバタと何人かの足音が聞こえて来て


「A！！？」

と、慌ただしく迎えてくれた。
『えへへ〜ただいま〜』

先程まで暴力を振るわれていた者とは思えないくらいの笑顔で答える。


しかし、そんな私の姿を見て表情を固まらせる兄達。

チョロ松兄さんとトド松兄さんは

「え。A…！？」

「どうしたの！その怪我っ！！？」


…ありゃー。やっぱ顔にもあるのかなー、殴られた跡…。

でも、心配はかけさせたくないからね。

『あー、あははっ！今日帰り道で階段から転げ落ちちゃって』


あははー。と、笑うと

「A！」

と、大きな声で怒鳴られた。
それにビクリと肩を揺らす
うわ、あはは、チョロ松兄さんのこんなに怒った声初めて聞いたよ。
恐る恐る顔をあげると


不意にふわりと抱きしめられた。

『っ！？』

驚いて目を見開くと、
「馬鹿！！心配しただろ！」

と、何故か逆ギレするチョロ松兄さん
それに少し安心した私は
ごめん。
と謝って笑った。


トド松兄さんはそれを微笑ましげに見ていた。



家の中に入って
チョロ松兄さんに手当。と言われたが
自分でやるよ。と断った。


それを不審そうに見るチョロ松兄さん
話を逸そうと
『おそ松兄さんは？』

と聞くと

しばらく間を空けてから

「Aのこと探しに出てっちゃったよ」

と、言われた。

どうやら家に居るのは私とチョロ松兄さんとトド松兄さんだけらしい。

父さんと母さんは仕事でまだ帰ってない

トド松兄さんは多分私が帰ってきたと別の兄さん達に知らせているんだろう。


私は『お風呂入ってくるね！』
と言って逃げるように部屋から出ようとした。


が。


ガシリと腕を掴まれてしまった。

そこはあの女や男に強く握られて痣が出来ているところで

思わず私は
『痛っ！』と声をあげてしまった。

驚いたようにごめん！と言って手を離すチョロ松兄さん。

『あー。大丈夫！ちょっと捻ってたみたい！』

慌てて笑顔を取り繕う。

そして、また直ぐに方向転換をしようとすると

「待ってA」

と呼び止められた。

『え、何！？』

嫌な予感がして、今直ぐこの場から逃げたい

「あのさ」

と、何かを話し出そうとするチョロ松兄さんの顔は真剣そのもの

「その怪我。」

あ、やばい

「階段から落ちた怪我じゃないよね。」

ばれた

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