9 ページ9
「そういえば、来客は来週に先延ばしになったんだっけ」
さっきからひとことも喋らない土方さんに私は自分から話しかけた。
自分で雰囲気悪くしといて何してるんだろうね。
でもそこは大人な対応をしてくれる。
土方さんはため息交じりに会話をしてくれた。
「道中攘夷志士の動きを見たらしい。改めて警備を整えてからの訪問が良いだろう」
「そっか。でも買い物溜まってたし今日申請しといて良かったかもね」
あと少しで行きつけの茶屋に着く。
あそこの主人とは顔見知りだから少しサービスしてくれるんだ。
自分でもあまり意識してなかったけど、私結構お茶にはこだわってたみたい。
「あ、あそこのお店今日セールしてる」
私の目に止まったのは雑貨店だった。
若い子にはすごく人気でいつも賑わっている。
今日セールなのは悔しいな。
仕事中だし寄りたいけど寄れないもんな。
「土方さん?」
店を通り過ぎようとすると土方さんは足を止めた。
振り向き首を傾げると土方さんは店を親指で指した。
「寄りてぇんだろ。10分以内に済ませろ」
急な気遣いに面食らった。
私が突っ立ってると土方さんは眉間に皺を寄せ始める。
「んだよ、見ねぇのか?」
「いや、見るよ……ありがとう」
あれだけ最低なことしてるのになぁ。
やっぱり土方さんって律儀な人だ。
私は変わってしまったけど、土方さん。
────────あんたは本当に何も変わらないよね。
259人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
マヨネーズライダー(プロフ) - 何回も読み返してます。切ないですね。これからも読み続けます (2021年2月14日 1時) (レス) id: 01ab9bdc45 (このIDを非表示/違反報告)
えいたん(プロフ) - とても引き込まれる作品です!更新楽しみにしてます! (2019年8月21日 4時) (レス) id: 8f70e4d35f (このIDを非表示/違反報告)
ノイズ(プロフ) - 最高です!ハピエンでもバットエンドでも絶対面白いですね!更新あれば楽しみです! (2019年7月6日 18時) (レス) id: c4f6a2aaa5 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:瑠々亜 | 作成日時:2019年6月27日 0時