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灰崎視点
…………この間、Aとケンカした
いや、ケンカ……まあ、ケンカだな
原因はAが男と歩いてたから
ホテル街ですれ違って、頭に血が上って、Aを連れて家に戻った
あれ何?と詰め寄ればAはしどろもどろになりながら説明してくれた
でも何故か信じられなくて、本当はアイツと浮気してたんじゃねぇかって思った
そんなことを思っていたらAが祥吾も女といたじゃんって言い出した
お前が許可したんだろ、じゃあ俺もお前に男遊びして良いって許可したら良いか?って聞いたら、違うって言いやがる
何が言いたいんだと思っていたら他の女といて欲しくないとか何とか叫ばれて、呆然としていたら頭突きをされて出ていかれた
Aの家の玄関に転がって、状況を整理する
アイツ、良いって言ってたくせに?
何を急に、と思ったところで我に返り、Aを追いかけた
それでも見つけられず、連絡する気も起きなくて家に帰ったわけだ
で、次の日学校に行ってみればアイツはいた
目も合わせない辺り、結構…怒ってんのか?
まあでも、そのうち何もなかったような顔して戻ってくるだろ
そう思っていつも通り女を引っ掛けた
放課後、女と昇降口を出ると、Aが虹村さんと腕を組んで歩いていた
仲良さそうに話しながら
最初は虹村さんも面倒なことに付き合わされてんなって同情した
でも毎日毎日違う奴といるし、しまいには頬にキスなんてしている
一番腹が立ったのはリョータといた時
よりによってリョータといる時が一番仲良さそうで、Aも幸せそうにしていた
それに、噂まで流れ出した
アイツがバスケ部の奴らと毎晩遊んでるって、噂
Aに限って、と思ったが、俺への当てつけでその手段を取ったのかもしれない
冷静にどんどん不安になっていって、Aが俺から離れたらどうしようなんて事まで考えるようになった
………もしこのまま、Aが俺の所に戻ってこなかったから
俺とは自然消滅で、他の誰かと付き合って、そのうち結婚して幸せになる
薬で抑えているあの出来事を思い出したらどうする?
何も知らない奴には到底抑えられないのに
それで、何で教えてくれなかったんだと尚更俺のことを嫌いになって……
……………あァ、そんなの許せるわけがない
そんな未来、俺は許さない
お前には俺がいないとダメなんだよ、A
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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時