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私はあのまま祥吾に手を引っ張られ、無言のまま連れられてきた

私の家に

入るなり鍵を閉められてドサッと押し倒された

靴すら脱いでないのに玄関に押し倒されてるって中々じゃないか?

押し倒されてるけど、靴を履いたままで、足を置いているところが一段下がってるから膝は折れてる

祥吾は私の顔の横に手をついて見下ろしていた

その目はひどく冷たい


灰「………一緒にいたの、誰?」

貴「…知らない奴」

灰「知らない奴とホテルに行く気だったわけ?」

貴「ち、違う、行く気はなくて」

灰「ないのにあそこにいたのか?」

貴「………声、掛けられて。腕を掴まれたから振りほどこうとしたら力が強すぎて振りほどけなかったんだよ」

灰「うん、で?」

貴「……痛かったから無理に振りほどかないでついて行くフリして、隙を見て逃げようと思ってた」

灰「そしたら俺に会ったって?」

貴「ん……そう」

灰「ふうん?」


ギスギスした怒りが伝わってくる

……確かに、私が悪かった

悪かったとは思ってる

他の男について行くなんて、悪かったよ

でも祥吾だって女といたわけじゃん

……私が許してるってのもあるけど

許してる…けど、なんか…モヤモヤする

私は女遊びを許可していて、祥吾は私の男遊びを許可していない

そんなの…さぁ、いや、今までそれでやってきたから今更文句を言うのはおかしいと思うけど…

でも、なんか……私だけこうやって責められるのは不公平っていうか、理不尽っていうか


貴「…………祥吾だって、女といたじゃん」

灰「…は?お前が許可したんだろ」

貴「そ…そうだけど、だって、なんか……不公平じゃん…」

灰「じゃあ俺もお前に男といるの許したら良いのか?」

貴「それは、」

灰「絶対無理。そんなの許可してやんねー」

貴「…………別に許可してほしいわけじゃない」

灰「じゃあ何?」

貴「ッ、祥吾に他の女といてほしくない‼」

灰「………はっ?」


……あれ?

私、何言ってんの?

い、いや、とりあえず…ここにいたくない

そう思って勢いよく身体を起こす

ゴツンッと呆然としている祥吾に頭突きをしたら横に転がった

その隙に鍵を開けて外へ飛び出す

全力で走って、走って、走りながら考えた

私、何であんなこと言ったんだろう

他の女といるのが嫌ってなに?

祥吾もあんなに呆気にとられてた

私が一番驚いてる

どうしよう、どうしよう

飛び出してきてしまった

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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