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貴「っ…」


カーテンから差し込む日の光で目を覚ます

覚醒しきらない頭と身体を無理やり動かしてベッドから出て、立とうとした


貴「う、わ…っ」


………けど、失敗した

腰が立たずにストンと床に座り込んでしまった

…昨日………そうだ、ああ…かなりやられたな……

ずきずきと腰が痛む

何とか立とうとしていたら後ろから首に腕が回った

振り向くと、今起きたらしい祥吾が髪がボサボサで何も着ていない状態で私を見ている


灰「……なに…もうおきんの…?」

貴「…祥吾……。お前のせいで腰が立たないんだよ」

灰「…………そーか…」

貴「はぁ…もう今日は学校行かねぇ」

灰「いけねぇのまちがいだろ」

貴「…お前のせいだけどな」

灰「いいじゃん…さみーから、入れ」


祥吾に言われるままベッドに戻り、中に入る

入った瞬間に祥吾に抱き込まれた


灰「…暖けぇ」

貴「ん……お前もな」

灰「……柔けぇし、髪はサラサラだし、いい匂いがする。ついでに具合も良いし…」

貴「…褒め殺しだな。機嫌取りか?」

灰「いや…やっぱりお前が一番良いと思って」

貴「一番じゃなかったらさすがに怒る」

灰「マジか。でも、朝もこうして…だらだらベッドの中で一緒にいて良いと思えるのもお前だけだ…」

貴「………まだ眠いんだろ。寝言なら寝て言え」

灰「…照れてる」

貴「うるさい」


もぞ、と動いて自分の身体を見る

……身体中にある赤い痕と、それを圧倒的に上回る数の噛み痕

またか…


灰「…んだよ」

貴「痕、つけすぎ」

灰「それがあればお前は何処にも行かないだろ?」

貴「………なくたって行かないっつーの」

灰「他の奴に盗られるのは気に入らねぇからな。盗られても誰のか分かるだろ?それとも名前でも書くか?」

貴「…これで良い」

灰「ん」

貴「……祥吾は何でそんなに心配してんの」

灰「何を?」

貴「私が…いなくなるとか、そういうの」

灰「…お前はすぐにどっか行きそうだからな。それに…見失ったら、見つけられない気がするから」

貴「………見つけてくれよ、幼馴染だろ」

灰「それでも無理そうだから言ってんだよ」

貴「…おまえなら……すぐ、見つけそうなのに」

灰「…眠くなってきたのか?」

貴「んー…」

灰「寝て良いぞ。俺ももう少し…寝るから」

貴「じゃあ…ねる」

灰「ん、おやすみ…」


ちゅ、と額にキスを落とされ、祥吾の体温に包まれたまま私は眠った

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作者名:碧夜叉 | 作成日時:2018年12月13日 6時

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