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………
貴「ん……」
目を覚ますと、祥吾が目の前にいた
……寝てる…
…あ、服着てる、から…一回起きたのか……
お母さんと話したのかな…
ん、寒い…
灰「…う、ん……？A…？」
貴「……おはよう、祥吾」
灰「はよ…今度は、起きるか？」
貴「ん…おきる」
灰「服…持ってくるから…」
貴「うん…」
祥吾が抜けたベッドはとても寒かった
でもとりあえず、起きて服を着よう
そう思って身体を見て、驚いた
身体に赤い痕が散りばめられている
それよりも圧倒的に多いのが、噛み痕
触ると少しヒリヒリする
灰「ほら、服」
貴「ありがと…。つーか、祥吾」
灰「あ？」
貴「……この痕の数、なに？記憶にないんだけど」
灰「だってお前は俺のだろ？」
平然とそう言ってのける祥吾に、少し笑いたくなった
独占欲が強いっていうか、傍若無人っていうか
そんなところも、かわいい
口元が勝手に緩んで、私は祥吾の頬に手を添えて軽いキスをした
貴「うん、確かに私は祥吾のモノだ」
灰「だろ？それなら良いじゃねぇか」
貴「良いけど、記憶にないのは何でだよ」
灰「途中からトんでたのと、お前が寝てる間にもつけたからだ」
貴「……トんだのか、私」
灰「気持ち良さそうだったぜ」
貴「実際気持ち良かったからな」
灰「…あんまり煽んなよ」
貴「煽ってない。サカリのついた犬かよ」
灰「健全な男子中学生はこんなもんだろ？」
貴「お前以外に男なんて知らねぇんだから分かるわけないだろ」
灰「………お前、本気で煽ってる気がないなら黙ってろ」
貴「…あー……ごめん、今のは煽った」
灰「は？」
貴「だって我慢してる祥吾が可愛くって、つい」
灰「チッ、」
貴「んぐ、」
祥吾に抱きすくめられるようにしてキスをされる
一方的に愛を注がれているような感覚に陥る、乱暴なキスだ
乱暴だけど嫌いじゃない
そのままじわりと広がる快楽を享受しながら、祥吾の背中に縋る
背骨に沿って指を滑らせると、ぱちりと開かれた祥吾の目と私の目が合った
ああ、この凶暴な獣のような瞳
見つめられるだけでゾクリとする
かわいい、かわいい
私の祥吾
貴「ん、ふ」
灰「…明日、具合悪くなっても腰が立たなくなっても責任取らねぇからな」
貴「隣にいてくれたら、それでイイよ」
灰「ハッ、言うじゃねぇか」
祥吾の瞳に映った少女がニヤリと口角を上げる
誰だ？…ああ、私だ
独占欲と優越感にまみれた顔
…私たちはまたシーツへ沈んだ
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作者名：碧夜叉 | 作成日時：2018年12月13日 6時
