【黒バス】私とアイツは幼馴染

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すぅ、と意識が浮上する


貴「………………ん…ぁ、しゅぅ……」

虹「……お、起きたのか？」

貴「…ん……」

虹「あー、起きるな。……うーん、まだだな」

貴「ゲホッ、ケホッ、ケホッ」

虹「大丈夫か？水は？」

貴「………のむ」

虹「こぼすなよ」

貴「ん……」

虹「吐き気とかは？」

貴「ない…」

虹「それなら良いけど…悪化したらすぐ言えよ」

貴「んー……」

虹「……顔色悪い。なんか嫌な夢でも見たのか？」

貴「……いや…みてない…」

虹「ふーん…」

貴「しゅう………」

虹「どうした」

貴「くるしい…」

虹「苦しい？どう苦しいか、言えるか？」

貴「なんか…、…うまく、いき、すえない……ッ…ケホッ、ゲホッ、は…ケホッ、ひ…っ」

虹「大丈夫か？ゆっくり深呼吸してみろ」

貴「ん…、はぁっ、はぁっ、ケホッ、ゴホッ、ゴホッ、はー…っ、は…」


呼吸が出来ない

どうやって、今まで呼吸してたんだっけ

喉からひゅー、ひゅー、と音が鳴る

このまま……息、止まったら、死ぬよな ？

まだ…死にたくない……

必死に息をしようとしても、上手く出来ない

焦れば焦るほど、吸う感覚が短くなっていく

生理的な涙が頬を伝う

その時、ぐいっと抱き寄せられた

誰に？シュウにだ

大丈夫、大丈夫、と宥めるように背中をさすられる


貴「はっ、はぁ、はあ………は…ゲホッ、ゲホッ、はっ、ぁ、はー……はー…」

虹「……落ち着いてきたか？」

貴「うん………ケホッ、ゲホッケホッ、は…はっ…」

虹「苦しかったな、大丈夫だぞ」


シュウが頭を撫でてくれる

やっと正常な呼吸が出来てきた

無駄に体力を使ったから疲れた

ドッと疲れが出て、ぐったりとシュウに身体を預ける

…こういう時くらいじゃないと、甘えられないし


虹「やっぱり嫌な夢見たんだろ。見てないって言われても過呼吸になってたら説得力ねーよ」

貴「……ごめん…」

虹「いや、良いよ。お前がつらいんだから無理に聞きはしねぇ」

貴「……ひとりぼっちに、なるゆめ」

虹「え？」

貴「暗いとこに、ひとりぼっちになった、夢みた…こわくて……しゅうも、いなくて…」

虹「……A」

貴「名前呼んでも……いなくて…」

虹「A、もう大丈夫だから。俺ならここにいる、いなくなんねーよ」

貴「うん、うん……いなくならないで…」


私はぎゅう、とシュウに縋りつく

シュウはあやすように頭を撫でた

こんなに安心するのは、シュウだけだ

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