滅亡⇒146 紫原(回想) ページ28
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「・・・・ッッッてェ・・・・!」
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氷室が大きく腕を退いてヒットさせた拳は、
俺の頬に激痛を与えていた。
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「・・・・・・ッッッてぇ、なァ・・・・・ッッ!!
何してくれてんだよてめえェッッ!!!」
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口内は一瞬で血の味で染まり、
唇の端から血が零れていく。
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氷室は反動で少し息を切らしながら、
感情をどんどん吐き出すようにつぶやき始めた。
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「・・・・ッッッDon't play a trick・・・ッ!!
・・・・ッッお前に・・・ッッ、
・・・お前に、何が分かる・・・・・ッッ!!?」
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氷室は俺を殴り飛ばした拳を握りしめて、
もう片方の手で俺の襟元を強く掴んだ。
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「・・・・・お前のその‘いらない才能’が俺にとって・・・!
俺にとってどれほど・・・ッ焦がれたものだったか・・・・ッッッ!」
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襟元を掴む氷室の力が強くなる。
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拳を微かに震えわせたまま、
俺を今にも殴ろうとかまえていた。
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「お前は死ぬほど努力をしたことがあったかッ!!?
叶わないことを知っていてッッ!!
それでも努力をする人間の気持ちが!!
お前に分かるかよッッッ!!!?」
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鬼気迫るほどの瞳で俺を睨み付け、
そうしてまた、俺の頬を殴り飛ばす。
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「・・・・ッッッ」
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地面に投げ出されるようにして倒れ込んだ俺は、
確かに地平線に響く氷室の悲痛の声を聴いた。
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ズキズキと激しく痛む頬。
地面に手をついて擦ってしまった手のひら。
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頭の中が割れるかと思うくらいの激痛に、
自分が今何を思っているかさえ忘れそうになる。
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「ッはぁ・・・」
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すり傷だらけの手を見つめ、
小さく息を漏らした。
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「・・・・・・・ッッあァあ、
うっっぜぇえぇぇぇ・・・・ッッッッ」
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憎しみも嘆きも哀しみも籠らせて
全て地に打ち付けて闘ってきた手を
力強く握りしめて
ゆっくりと立ち上がった。
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(もうすぐ、夜が来る)
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その前に“俺達”は死ぬだろう。
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ぴっぴ - 小学生の頃読んでたのをふと思い出して久しぶりに見てみたけど...ほんといいなこの作品 いつかまた更新してくれるといいな (2022年9月22日 3時) (レス) @page35 id: c1fb34c759 (このIDを非表示/違反報告)
刹那 - 依存してしまい、徹夜までして読みましたが泣きすぎて息が苦しいです! (2019年3月3日 3時) (レス) id: b770d05172 (このIDを非表示/違反報告)
エリオ(プロフ) - 葵さん» 嬉しいですありがとうございます( i _ i ) (2018年2月8日 23時) (レス) id: 706b729d82 (このIDを非表示/違反報告)
葵(プロフ) - こんなに夢中になった小説はじめて(`;ω;´) (2018年2月3日 17時) (レス) id: 2418f11392 (このIDを非表示/違反報告)
エリオ(プロフ) - 佐倉飛翠さん» 嬉しいですありがとうございます!中学生の頃に止めてしまったお話なので、大学生になった今ですが完結まで走りぬこうと思います! (2017年11月8日 17時) (レス) id: de6a2bd659 (このIDを非表示/違反報告)
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