好き好き症候群【Knights】 (ページ4)

今日:1 hit、昨日:5 hit、合計:18,986 hit

3 レッスン……1 ページ4

「A、うっちゅー☆」

「レオぴうっちゅー」

半分寝ているAをレッスン室へ連れて行くと、珍しく王さまがストレッチをしていた。明日は雨かな。傘もっていこう。

「レオぴ早いねぇ。すきだよー」

むぎゅ、と王さまに抱きつくA。このほわほわした小動物も、あと数分で豹変するんだな、と考えると気が重い。プロデューサーとしての腕は確かだけれど、いつもと違いすぎて調子が狂うのだ。終わったら元に戻るけど。

「あら、Aちゃん来てたのね」

「なるちゃんうっちゅー」

「はいはい、うっちゅー」

両手ピースをしてふにゃりと笑うAは正直びっくりするくらい可愛い。本人の前では絶対言わないけどねぇ。調子乗るし。

「なるちゃんなるちゃん、今日はホットケーキだったんだよォ。ハチミツ美味しかった」

「あら、羨ましいわぁ！」

「んふふ、でしょ？」

「ちょっとA、今日の練習メニューで話したいんだけど」

なるくんと中睦まじく話すAの腕を引いてメニューの打ち合わせをする。……別になるくんに嫉妬したわけじゃないし。

「んー、じゃあ、今日のボイトレはいつもより念入りにしよっかぁ。で、ダンス確かめたら本番通りに通すからねぇ」

「ん、分かった。……あぁ、丁度かさくんとくまくんも来たねぇ。ホラ、はやくストレッチ終わらせるよぉ！」

ぱんぱん、と手を叩く。ウチのリーダーは基本頼りにならないからねぇ。俺がしっかりしないと。レッスン室に入ってきたかさくんとくまくんがAを見てサッと顔を青ざめた。気持ちはすごく分かるけど、仕方ないよねぇ。

「じゃ、レッスン始めるよぉ！」

地獄のレッスン開始だ。