好き好き症候群【Knights】 (ページ11)

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11 ご対面ページ11

小鳥遊あんずside

この学園に来て早一週間。大分クラスにも馴染めてきた。そんなある日のお昼休み。Tricksterの三人と談笑していると、勢いよく扉が開いた。驚いて肩が跳ねる。ほかの皆は、"あぁ、またか"というように苦笑していた。

「ハーちゃん先輩じゃん！どうしたの？」

明星くんが"ハーちゃん先輩"と呼んだその人は、ミルクティー色のふわふわの髪をなびかせた小柄な女の人。制服を少しだけ着崩していて、軽いメイクをしている。……可愛い人だなぁ。

「転校生ちゃんに会いたかったのー！居る？」

「あんずなら、ここに居ますよ」

氷鷹くんにとん、と軽く背中を押された。彼女とばちりと目が合う。瞬間、パァァっと顔を輝かせた彼女がこちらにやって来た。……と思ったら、遊木くんの背中に隠れた。

「えっ？」

「先輩、人見知り治ってないんですか？」

「うぐぅ、まこちゃんは直球だね？そんなとこもすきだけどさぁ……」

「僕の後ろに隠れてても、あんずちゃんとお話出来ませんよ？」

「分かってるよぉ……。それに、早めに離れないとセッちゃんが怖いからねぇ」

そう言いながら、彼女は遊木くんの背中から顔を出した。そして、私をじっと見上げる。

「三年の早瀬A、です。女の子同士よろしくねぇ、転校生ちゃん」

早瀬A先輩、かぁ。名前まで可愛いんだなぁ。

「小鳥遊あんずです。よろしくお願いします」

ぺこりと頭を下げる。自分でも無愛想なのは分かってるよ。そんなことを考えていると、

「あんずちゃんって呼んでもいい？」

と聞いてきたので勿論、と頷くと顔を輝かせて私の手をぎゅっと握った。

「ありがとう、あんずちゃん！」

嬉しそうに頬を染めて微笑む先輩は、驚くほど可愛かった。