【黒バス】 君はもう僕のモノだ 【赤司征十郎】 2nd

６６　舐めてたら痛い目に ページ19

コートに入った途端、相手チームがザワついた。




「お、おい…アイツ、さっきの…？」

「女…だったのか？」




ウイッグをつけずにコートに入ったから、女であることが分かったらしい。



まあ、あのプレーの中じゃ、顔を確認するヒマなんてなかっただろうから、

宮野くん以外、気づいた人はいなかったらしい。





「どういうことだ…おい、帝光のキャプテン！」


赤司「なんでしょうか」


「女子が入るなんて聞いていないぞ！」





向こうの監督が征くんに怒鳴りつけた。





赤司「先ほどの条件です。

コート内にいる選手について、異議は受け付けない。

そういう約束だったのでは？」


「だがっ…女子を入れるなんて、ウチを舐めすぎてないか？！」


赤司「先ほどの試合でも見た通り、彼女の実力は本物です。

もしかして…負けるのが怖いとでも？」


「っ…いいだろう、負けても文句は言うなよ！」





怒ってベンチに戻っていった。





青峰「うるせー監督」


緑間「人事を尽くしていない者など、愚かなだけだのだよ」


紫原「Aちん最強〜」


黒子「目にモノを見せてあげましょう、Aさん」


A「うんっ！」





コートの中で、調子を確かめる。


…うん、どこか痛めたとか、そういうのはないね。




準備運動をしていると、宮野くんがやってきた。





宮野「…さっきの今で、少し気まずいな」


A「うん…まあね」





…それ以上に恥ずかしいことがあったから、

そこまで意識し続けてるわけではなかった。



それに気づいたのか、フッと微笑んだ。





宮野「まさか、今からお前とやるなんてな」


A「フフッ…宮野くんには負けないからね！」


宮野「上等だ。返り討ちにしてやるよ」





…好戦的で、ちょっと野蛮なところは変わってない。


そういうハングリーなところも、宮野くんのいいところだ。




しみじみ思ってると、向こうのチームの１人が割り込んできた。





「おいおい晃希マジかよ、こんな女に全力でかかっていく気か？」


宮野「ああ、そうだが？」


「女じゃん。マジありえねぇんだけど」


宮野「…バーカ。舐めてたら痛い目に遭うぞ」





そう言ってチームメイトの頭を小突き、はにかんだ笑顔を見せた。



…やっぱり、こっちの宮野くんの方がいい。





宮野「んじゃ、やるか？」


A「うん！負けないよ！」





こうして、再試合が始まった―――。

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