６０ 許せなくても ページ13
A「宮野くん…」
そっとユニフォームのズボンの裾をめくった。
そこには、痛々しい傷跡が残っていた。
―――あの日、宮野くんに切られた足。
それを直視した征くんは目を見開き、宮野くんは目をそむけた。
A「覚えてる？あの日のこと」
宮野「…ああ」
A「あの日も、泣いてたよね」
宮野「……」
…宮野くんは気が動転していた。
先生と引き離されて、その怒りが行き場を失い、傍にいた私に降りかかった。
割れたビーカーの破片で足を切られ、その傷が思った以上に深かった。
それを見ていたのは、大輝だけだった。
だから、私は大輝に頼んだ。
これは私の不注意で起きたコト。
宮野くんは何もしていない。
そう、事実を隠ぺいした。
宮野「…なんで、ホントのこと言わなかった！
何で嘘ついてオレをかばったんだよ！
言えばよかっただろ…オレは、お前にそんだけひどい事やったってのに！」
また、泣いた。
宮野くんは、感情が抑えきれなくなると、涙で全てを流す。
それは、とても人間らしい――。
A「宮野くんは優しい。…知ってるよ。
あの日、足を切った後に、宮野くんが自分をすごく責めてた事」
…そう、泣いてた。
保健室で手当てしてもらって、理科室に戻ろうとした時。
中庭で、泣いている男の子がいた。
宮野くんだった。
『あんなコトするつもりじゃなかったのに…』
『絶対、許してなんかもらえない』
『傷が残ったりしたら、どうすれば…』
…声を掛けられず、そのまま決別した。
A「…ねえ、もう１回、やり直そう？
もう１回、最初から」
宮野「…ムリだ。お前は良くても、オレはもう嫌だ。
どうせ、心のどこかで傷のことや…今日のことを憎んでるだろ」
悲観的な言葉を言われ、怒りが湧き上がった。
パシンッ―――！
宮野くんの頬を思いっきり叩いた。
びっくりするぐらい大きな音が出て、宮野くんが頬をおさえ、驚いた顔をした。
A「なら…これでいいでしょ。
私も、いま思いっきり叩いたから、これでおあいこ！」
宮野「…は？」
A「私も、叩いちゃったこと気にするから。
ねっ、これで一緒でしょ？」
宮野「…バカだ、お前」
A「うん、宮野くんの次にね＾＾」
宮野くんも、私の大切な友達。
仲の良かったあの頃のように…私は微笑みかけた。
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あずきいろ
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8
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りん - 赤司くんかっこいい(\\\∀\\\) ゆっくりでいいので頑張ってください♪楽しみにしています＼(´∀`*)／ (2018年6月11日 19時) (
レス) id: f9b767ebf1 (このIDを非表示/違反報告)
キチガイ - これからも更新してくれますか？ (2017年10月21日 14時) (レス) id: 3fedb0a791 (このIDを非表示/違反報告)
こころん(プロフ) - すごいおもしろくって、赤司くんかっこいいです！！更新頑張ってください!!更新されたらすぐ見ます！！！！笑 (2016年9月26日 23時) (携帯から) (レス) id: 00d4c99ef1 (このIDを非表示/違反報告)
アップルミント - 赤司くん、イケメンです！！ キセキの皆も、優し過ぎる!! 面白かったです！ 更新、頑張ってください！応援してます。Ｏ(≧∇≦)Ｏ (2016年8月14日 9時) (レス) id: b3db92abd7 (このIDを非表示/違反報告)
東京レイヴンズ*^∀^* - 面白いかったです！！ 続き頑張って下さいθω<☆ (2015年12月7日 19時) (レス) id: d83138c3cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Nami | 作成日時：2013年12月11日 20時
