嫌っていたヒロインが割とろくな目に合っていなかった件。 (ページ6)

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______皆、姫咲のことが大好き。私以外の皆は。ページ6

______パン

と、銃声が鳴り響く前に、私は地面スレスレのところで、固まった。
逆さ吊りってこんな感じなんだ、近づいてくる影に目を向けながらぼーっと考える。

『…流石、って言えばいーい？』

ｹﾁｬ｢…やっぱクズだな、奇襲仕掛けてくるとか。｣

『奇襲仕掛けたらクズなのか？じゃあ彼らも一緒だね、えーと、闇AU______』

言いかけたところで、頬をナイフが掠った。ついでに地面に叩きつけられた。
______ご本人サマたち、いるなら言ってくれよ。

ｷﾗ｢うｯ…わー…不ｯ快、超不快……クズはお前だけだよ？｣

ﾏﾀﾞ｢…あァ、パピルス、分かってる、大丈夫だ……

“今から姫咲に会いに行く”んだからな、heh…楽しみだな…｣

…ビンゴか。姫咲が、私の所に来る前に、故意に誰かに傷つけられた痕があると思ったら。

コイツらだったんだ、よく生きてたな、姫咲。

『…姫咲は？』

ﾏﾀﾞ｢教えるわけねぇだろクズが。｣

体に骨が突き刺さる。イタイ。3人が私を見る目が、スゴく冷たくて。虚ろな瞳に、3人を映す。

『アイツさ、顔だけじゃない？アンタら、綺麗事とかキライだったじゃんか。洗脳でもされ______』

身体中にナイフの雨、さっき命拾いしたところなんだけど、ねぇ。

本当に、死んじゃうよ？

ｷﾗ｢うるさいｯ、うるさい黙れクズが！！
美奈ちゃんは世界一優しくて可愛くて僕の、俺だけのｯ！！！

……希望の光、なんだぁ…♡｣

大声でまくし立てるキラー、うるさい。
見ての通り、私死にかけなの。あんまり声、聞こえないんだよ。

ｹﾁｬ｢…｣

ﾏﾀﾞ｢お前のじゃねぇ、俺のだ。｣

ｷﾗ｢はァ？｣

2人がなんか怒鳴りあってる、でももう聞こえない。
あァ、出血多量で死ぬとか。もうちょっとマトモな死に方無かったワケ。

______好奇心でも湧いてれば、不死身になれるのになぁ。

ﾏﾀﾞ｢姫咲__マーキ__グ______気持ち悪い____お前ｯ｣

ｷﾗ｢それなら__ーダーだっ________ゃんのこと傷つけてた____！｣

……あァ、安心して。ちゃんと時間は巻き戻ってる。今はアイツらが姫咲に会う前だよ。
姫咲以外の奴らに記憶があるだけ。

毎回、各々の行動が変わるのは面倒くさいけど。

『…お前ら、だったんだ。』

言葉を零し、起き上がる。

ｹﾁｬ｢…ｯ｣

ﾏﾀﾞ｢は…？｣

ｷﾗ｢はぁ？！おま、ｯなんでそんなピンピンして____｣

私はニコッと、3人に笑顔を見せた。

『いやァ、ごめんごめん。面白そうな話、してたからさァ。

___好奇心が、溢れちゃって♡』